筑波学院大学(つくば市吾妻)は、学生たちが地域に出て社会貢献活動をする「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」に取り組んでいる。3年生のOCPは必修選択科目のうちの1科目。同大経営情報学部ビジネスデザイン学科3年の菅野萌々子さんは、茨城県をアピールするフリーペーパー「茨城、行ってみようBOOK。」を1人で企画・制作した。 

筑波学院大学
経営情報学部ビジネスデザイン学科3年
菅野萌々子さん

フリーペーパー「茨城、行ってみようBOOK。」の表紙

―OCP活動授業で茨城県をアピールするフリーペーパーをつくりました。どうしてですか?

絵を描くことが趣味なので、それを生かして活動をやってみたかったからです。また自分で企画を立てて、何かを作ることにあこがれていました。 5歳から牛久にずっと住んでいるので茨城県に愛着があります。自分自身で魅力を語れるものを作りたいと思い、茨城県をアピールするフリーペーパーを作ることしました。 

―茨城の名所をキャラクター化しましたね。どんな工夫をしましたか?

キャラクターを作るということは、命を与えるという感じがして好きなんです。茨城県の魅力をキャラクターで伝えることができたら一番いいなと思いました。試行錯誤をして、「筑波山」「袋田の滝」「偕楽園」「ひたち海浜公園」を女の子のキャラクターで表しました。

例えば袋田の滝は、洋服のインナーと髪を清らかな水のイメージ、上着を岩肌のイメージで描いています。水戸の偕楽園は、少女らしくキャスケット(帽子)をかぶせました。セーターは春らしいモスグリーン、髪の色はだんだん梅が咲いていくイメージで紅と白のグラデーションを入れています。ひたち海浜公園は、女の子の髪とマフラー、ブーツに、コキアの色を入れました。コキアは色が変化していくので、そのイメージで色を途中で変化させています。筑波山のイメージキャラクターは、筑波山をかたどった帽子をかぶっています。髪の色や目の色も筑波山をイメージできる緑色を使いました。授業で、つくばのイベントでポスターを何度か描いたことがあります。そのとき県民が筑波山を本当に大切にしていると実感したので、筑波山をかたどった帽子は特にリアルに書いています。

―苦労したことはありますか?

名所の情報収集と、どのような絵をどのようなデザインで描くか悩みました。また一度仕上げたものは、他の学生にみてもらい、読みづらいところなどを指摘してもらいました。

例えば、名所の案内の順がわかりにくいことを指摘されたので、地図上で南下していく順番に変更しています。第三者に見てもらうことで、自分の気づかなかったことに気づかせてもらえたのがよかったです。

あとは文字、背景の色、コントラストなども苦労しました。背景の色が淡すぎるとキャラクターが浮いてしまいますし、濃いと文字が読みにくくなるなど、調整が大変でした。それでも後期が始まる9月から始めて、11月には仕上げることができました。

―フリーペーパーを作ってみてどうでしたか?

「茨城県の名所を知っているけれど行ったことがない」「1回は行ったことがある」という人たちに「やっぱり行ってみよう」「もう一度行ってみようかな」と思ってもらうことが、フリーペーパーには大切だと思いました。映像や写真だけではなく、「その場に足を運ぶことで、匂いや空気を楽しむことができる」ということを伝えられる作品だったらいいなと思います。

―イラストはどこかで勉強したのですか?

子供のころから絵を描くのが大好きなのですが、美術大学を出ている母が、いつもいろいろと教えてくれました。今回のイラストについても、アドバイスをしてもらいました。

1月27日筑波学院大学で行われたOCP活動報告会で発表をする菅野さん

―大学生活はどうですか?

とても楽しいです。授業では使ったことのないソフトウエア、やったことのないデザイン、それらを使って自己表現したことを、どのように人に伝えるか考えることが面白いです。

仲の良い友だち4人と、絵を描きながらおしゃべりして楽しく過ごしています。サークルも絵を描くサークルに入っていて、今は副部長をやっています。部誌を出したりポスターやしおりを制作したりしています

―将来の夢は?

すぐになれる職業ではないと思いますが、絵本作家になりたいと思っています。実は絵のほかに、物語を書くのも好きなんです。とくに絵本が大好きで、絵本に出てくる動物や食べものに小さいときから引かれていました。読んだ時に吸い込まれるような絵本、子どもが手を出してくれる絵本を描きたいと思っています。

(聞き手:伊藤 悦子)