【橋立多美】筑波学院大学(つくば市吾妻)経営情報学部ビジネスデザイン学科2年の高木祐輔さん(20)が、手話パフォーマンス集団「きいろぐみ」を招待するためのクラウドファンディングへの支援を呼びかけている。同大と筑波大、筑波技術大の学生や院生らで作る「つくば院生ネットワーク」主催で来月開くイベント「みんなの学会」に招く計画でいる。

院生ネットワークは、筑波大学システム情報工学研究科の讃井知さんが代表を務め、学問分野の垣根を超えて交流したり研究成果を社会に伝える催しを開催している。発足から10年目の今年は、手話の表現力を研究発表に生かす「学会」を開催する。

ネットワークの大学院生が、手話の芝居や手話ミュージカルを展開するパフォーマンス集団「きいろぐみ」の公演を観て、手話は科学の研究発表にぴったりだと思ったのが招へいの始まり。

聴覚の差に関係なく研究を語ることを目標にした企画が始動。昨年10月に市内3大学の学生を対象に企画・運営を担当するスタッフを募った。応募者の中に筑波学院大の高木さんがいた。

同大は、学生たちが地域に出て社会貢献活動をする「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」が必修科目。まちづくりや文化、環境など多彩な活動分野の中から選択する。高木さんは昨年10月初旬につくばセンター広場で行われた、つくばクラフトビアフェスト実行委員会のスタッフとして運営を体験した。

3日間で参加者1万人を超えたビアフェスタは、それまで味わったことのないワクワク感に満ちて、設営や撤去作業なども苦にならなかったという。「OCPがゼロから創り出すイベントの面白さを教えてくれた」と話す高木さん。迷わず「みんなの学会」の運営スタッフに手を挙げた。

大学生14人による運営委員会の席上、筑波技術大で学ぶ聴覚障害者の手話を初めて間近で見た高木さんは「声に頼らずコミュニケーションをとる手話は表現力が豊かですごい。手話トークは楽しそうで素敵だなと感じた」と話す。

手話パフォーマンス「きいろぐみ」(事務所提供)

「きいろぐみ」を招待してみんなで手話を楽しむことで手話への理解が進むと考える高木さん。「つくばに手話パフォーマンスを呼べるよう支援をお願いします」と力を込めた。

「ユニバーサルな学び」をテーマにしたみんなの学会は、2月15日午後4時からつくば市吾妻のノバホールで開催。3人の研究発表に手話・文字・音声通訳が付く。研究発表後に手話パフォーマンス集団「きいろぐみ」の公演を予定しており、その費用をクラウドファンディングで募っている。

「みんなの学会」の参加費は学生無料、社会人千円で申し込みはこちらから。

クラウドファンディング「つくばに手話パフォーマンスを呼んで、手話と科学を繋ぎたい!」の目標金額は70万円、募集期間は1月31日まで。詳細と申し込みはこちら