難民は現代生活を甘受する私たちの問題 筑波学院大准教授の国際協力講座

プロジェクターを使って難民問題を説明する米川准教授=つくば市吾妻

【橋立多美】つくば市吾妻の市民活動センターで13日、国際協力講座「移動を強いられている人々の課題:難民、国内避難民、移民」が開講された。講師は、国連ボランティアや国連難民高等弁務官事務所の職員として活躍した筑波学院大学(同市吾妻)准教授の米川正子さん。同センターが主催した。

紛争と平和、難民、人道支援が専門の筑波学院大の米川准教授=同

昨年、紛争や迫害から逃れた難民や国内避難民は世界中で7000万人を超えた。なぜ難民たちの数は増え続け、どんな問題に直面しているのか、背景にあるグローバル構造の実態を学んだ。

師走とあって参加者は6人と少なかったが、それぞれの質問に米川さんが体験を交えて丁寧に答え、難民や避難民について理解を広げるひとときとなった。

一般的に難民と移民が同義で用いられることが多いが「難民」は迫害や紛争などで強制的に自国を追われ、「移民」は自分の意志で定住国を変える人々と述べた。そして、国内避難民と聞いても日本人は遠い国での出来事と捉える人がほとんどだが、東日本大震災から8年を経た今も福島県民を中心に避難生活を送る約5万人は「国内避難民」と説明した。

紛争は、スマートフォンなどの電子機器に使用されるコルタン(希少金属)をはじめとする鉱山資源や農園からの搾取を狙って仕掛けられる。仕掛けなければ難民は生まれないと紛争の本質を説いた上で、「難民は(生活の豊かさを追い求める)私たちの問題でもある」と語りかけた。

「日本の難民受け入れが少ないのはなぜか」という質問に米川准教授は、迫害を受ける恐れがある場合のみと定義され、受け入れは国交のある相手国を裏切るという考えに基づいていると話した。

また「日本は、私たちはどうしたらいいか」の問いには「難民、移民を生まない社会にするためには、なぜ人々が移動を強いられるのか、根本的なことを理解し全体図を見ることから」と熱を込めた。

美浦村から参加した看護師の羽太多智子さん(56)は「県南地域に外国人が多くなった。なにか手助けすることはないか、そのために学ぼうと参加した」と話した。