筑波学院大学(つくば市吾妻)の1、2年生が、地域に出てNPOや企業などと社会貢献活動をする「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」の2018年度報告会が28日、同大で催された。放課後の子どもの居場所づくりや里山保全活動、観光案内ボランティアなど、1年間を通して社会貢献活動に取り組んだ24組約70人が、それぞれの活動や成果などを画像や動画を駆使して報告した。

市民団体「つくばボードゲーム愛好会」の活動に加わり、放課後に子どもたちと囲碁や将棋などのボードゲームを楽しみながら子どもたちの居場所づくりに取り組んだ活動や、認定NPO「宍塚の自然と歴史の会」の活動に参加して、土浦市の宍塚大池でブラックバスやアメリカザリガニなどの外来種駆除に取り組んだ活動の報告があった。

ボードゲームでは、長時間続けると子どもたちが飽きてしまうという課題があったことから、ゲームに勝って勝ち点を増やしたら上のランクに上がることができるというランキング制の導入を学生が提案し、子どもたちの集中力が上がったという成果が発表された。

宍塚大池の外来種駆除では、5年間にわたって同NPOが駆除してきた魚などの種類や量の記録を、学生がデータ解析し、大池の外来種の移り変わりが一目でわかるグラフを作成した。

留学生の発表もあり、ブラジルなど外国人が多い常総市で、外国人を支援しているNPOコモンズと協働し、外国籍の子どもたちとごみを分別する方法を紹介する動画を作成し、ごみ出しのルールを覚えてもらおうという取り組みの報告もあった。

学生を受け入れたNPOや企業からは「若い人が一緒に活動することで、課題解決の大きなヒントが得られることを実感した」など学生の活動に感謝や評価の声が上がった。

同大OCP推進委員会委員長の武田直樹講師は「今年度は、活動の社会的意味を文献や先行事例、受け入れ団体へのヒヤリングなどをして掘り下げて、自分なりに情報を集めて分析し、自立して活動することに力を入れた。目的意識の高い留学生もどんどん出てきてリーダーシップを発揮してくれた」などと全体の成果を評価した。

同大では全国の大学に先駆けて2005年度から社会貢献活動に取り組んでいる。今年度は1年生約170人が1日間、2年生約160人が30時間以上、地域に出て活動した。報告会ではこのうち優れた活動をした1、2年生が活動報告をし、2年生6人に大島愼子学長から奨励賞が授与された。

大島愼子学長(中央)から奨励賞が授与された2年生6人=同