地方の人手不足が懸念される中、大学生や留学生が地域企業に就労するよう支援しようと、NPO法人「タウン アクティビティ コモンズ」(土浦市、久保田優代表)の設立フォーラムが5日、つくば市吾妻、筑波学院大学で開かれた。

同NPOは、日本人学生が地域企業で長期のインターンシップ(職業体験)を経験することを通して、地域で就労し企業に定着することを支援する。さらに東南アジアからの外国人や留学生が日本で就労するための高等教育を受け、地域企業に就労することなどを目指し、10月末、NPOとして設立・認可された。筑波大職員として長年、学生の就労支援に取り組んできたキャリアカウンセラーの久保田代表が培ってきた人脈などを生かして活動する。

今後の具体的な取り組みについて久保田代表は、来年2月に経営者セミナーなどを開催して地域の経営者同士のネットワークをコーディネートし、5月と10月ごろを目標に、企業のインターンシップ情報などを学生に紹介する就労応援イベント「ジョブフェス」を、筑波学院大学で開催する計画などを明らかにした。ほかに地域の高校などを訪問してセミナーなども開催する予定という。

設立フォーラムでは、筑波大名誉教授でJ2水戸ホーリーホック顧問の萩原武久さんが「人材教育とクラブ運営」と題して基調講演した。プロスポーツ選手の人材教育について「求める人材は情熱、誠意、創意がある人。やるべきときに、やるべき場所にいて、やるべきことを瞬時にやるのがプロスポーツ選手。企業もスポーツも求められる人間力は同じ」などと話した。

続いて「大学教育とNPO活動への期待」をテーマに講演した筑波学院大学の大島愼子学長は「企業から学生をみると、職業意識などの基礎が教育されてない学生はインターンシップを行っても成果が上がらないと言われることがある」と話し「インターンシップの前に学生の職業意識を醸成することが必要。筑波学院大が行っている、つくば市をキャンパスに社会に触れるプログラムや地域デザインセンターでの企業と協力した活動などは、インターンシップの基礎になっている」などと述べた。