《好人余聞》11 「風船って、みんなが笑顔になれるんです」 桂木由記さん

バルーンアーティスト 桂木由記さん

【コラム・オダギ秀】人生という旅の途中で出会った人たち、みんな素敵な人たちでした。その方々に伺った話を、覚え書きのようにつづりたいと思っています。

「丸くってフワフワしてて、風船がある所は、いつも楽しいでしょ?」

風船、つまりバルーンで様々な形を作り、ディスプレイしたりプレゼントを作ったりすることをバルーンアートと言う。桂木由記さんは、そのプロのバルーンアーティスト。土浦市にアトリエを構える。バルーンを手にして、楽しそうな笑顔が絶えない。

桂木さんが、初めてバルーンアートを知ったのは20年ほど前、まだ学生だったと言う。

「従姉妹(いとこ)の、アメリカでのウエディングパーティーに出席した時だったんです。会場に入ると、部屋いっぱいにバルーンが浮いていて、見た瞬間、ウワーッとなりました。何て楽しいんだと、ものすごく感動しました。同時に、こんな素敵なことをするバルーンアーティストという職業があるんだって知って、私もこんな仕事をしたいと思ったんです」

バルーンが持つ魅力を知った桂木さんは、その時以来、バルーンアートの修行の場を求めた。バルーンショップの店員をしたりして、やがてCBAというバルーンアーティストの国際ライセンスも取得した。7年前には、土浦に自分のショップも持ち、活躍の場を広げている。

「日本では、バルーンは、まだまだ子どものおもちゃの風船って認識なんです。でも、バルーンがあると、ひとりでに笑顔が生まれるでしょ? バルーンギフトは、贈る人も贈られる人もワクワクできる。こんな素敵なものって、他にあるかしら?」

自分が作ったもので誰かが喜んでくれるって、すごく楽しいんですよと、桂木さんはニッコリした。

「バルーンって、いつまでも長持ちするものではないんです。時間がたてばガスが抜け、しぼんでしまう。残念と言えば残念だけど、でも、だからこそ、膨らんでいるその瞬間が綺麗なんです。私は、作品として残らなくても、そのバルーンがもたらしてくれた瞬間が、楽しかった、嬉しかった、綺麗だったと、思い出として残ってくれれば、それでいいかな、と思うんですよ」

桂木さんは、もう一度、たっぷりの笑顔を見せた。バルーンのように、軽やかでも、いい思い出に残るような笑顔だった。(写真家)

▼桂木由記・バルーンショップ Ballon de Fleur(バロン ド フルール)

土浦市桜ケ丘町13-3 TEL 029-826-1315 営業時間 10:00〜18:30

http://ballon-de.com