【コラム・霞ヶ浦市民協会】当協会が桜川探検隊連絡会議の事務局を引き受けてから14年になる。これまで、関係イベントは霞ケ浦に注ぐ桜川の水系で開いてきたが、今年度の第1回探検交流(8月上旬)は桜川水系でなく、鬼怒川水系の筑西市・五郎助山で開催した。

場所の選定にあたっては、当協会の性格上、桜川水系を離れることに異論はあった。しかし、今回探検交流を担当する筑西市では、桜川が流れているのは旧明野地区の一部分だけという事情もあり、五郎助山で開くことになった。

当日は、五郎助山を管理している「NPO法人里山を守る会」の全面的な協力のもと、参加者はAグループ(土浦市、つくば市)、Bグループ(桜川市)に分かれて、トンボ池での釣り体験、雑木林でのネイチャーゲームを行ったあと、A、Bのフィールドを替えて楽しい1日を過ごした。

ほとんどの子が釣り初体験

また、水質調査では、桜川上流・中流・下流と、トンボ池(江連用水=鬼怒川水系=から取水)を比較、場所によって水質が大きく変わることを理解させようと企画した。しかし場所によって数値はあまり変わらず、「桜川上流が良好」ということが分かった程度だった。

驚いたのは、参加した子どもたちのほとんどが釣りをするのが初体験だったこと。餌付け、こんがらかった糸直しなど、スタッフは大忙しだったが、魚を釣り上げた時の子どもたちの喜びの声が聞けてよかったと思っている。

ネイチャーゲームでは、雑木林の多様性や動植物の生きる工夫を、自分たちで探しながら体験することができた。ともすれば、文字中心の学習になりがちな探検交流において、「取り組みの視点を変えなくては」と痛感させられた次第。

水の大切さ、豊かさ、ひいては自然の大切さを、遊びを通して子どもたちに体験してもらう。そのための取り組みをどうするか考えさせられた1日だった。(大久保和男 霞ヶ浦市民協会常務理事)

五郎助山での体験交流会