《くずかごの唄》19 酷暑の夏 熱中症にならない試練


【コラム・奥井登美子】「焼けたフライパンの上を歩いている感じ」「風がない、上からいきなり、熱い光が人間レンズの的に当たる」

7月16日、海の日。私は「泳げる霞ケ浦市民フェスティバル」へ行くつもりで家を出たが、あまりの暑さに「めまい」がして、熱中症になったら皆さんに迷惑をかけるので、途中で帰って来てしまった。

40度などという気温は、日本で、今まで聞いたことがなかった。日本人が経験したことがなかった体験を、今、私たちがしているのだ。

熱中症にならないまでも、「熱中症寸前」という人はけっこう多い。耳がかゆい、目の周りが赤い、背中がかゆい、という人が増えたような気がする。

朝起きて、枕カバーの上に置いたタオルをなめてみると、飛び上がるほどしょっぱい。寝ている間に汗をかいた自覚はないのに、かなりの汗をかいた証拠だ。

耳がかゆい? よく洗いましょう

ツラの皮の厚さと連動しているのかいないのか、顔に汗をかくと気持ちが悪いので、急いで洗ったり、拭いたりするけれど、耳と目はあまり汗をかかないと思っているので、拭かない。今年は、その目と耳にまで汗をかくらしい。

「耳がかゆくて、かゆくて。お医者に行って薬もらって、塗ってみたけれど治らない。どうしたらいいの?」「どっちの耳?」「右」「寝る時、右を下にしているのネ」「そう、そういえば、右を下にして寝ている」「寝ている間、耳にかいた汗で、アセモが出来たのよ。耳は洗いにくいけれど、1日5回くらいよく洗って、お医者様の軟膏つけてみれば…」

目も、耳も、背中も、よく洗うだけでかゆみが取れたという人が多い。薬剤師としての薬の指導は後回しにして、生活の乗り切り方を提案しなければならない。特に老人はクーラーが嫌いな上に、気温の変化と、喉乾きに鈍感なので、対処が遅れてしまう。

今年の夏の健康、どうやって乗り切るか。私たちへの試練が待っている。(随筆家)