《地域包括ケア》12 後期高齢者を前期者が支えるサロン

出典・厚労省

【コラム・室生勝】介護予防は3段階ある。健康な人を対象に発病そのものを予防する健康づくりが1次予防。持病を持っていても悪化させないように予防するのが2次予防、持病が重くならないように、また合併症の発症や後遺症の悪化を予防するのが3次予防である。私たちのサロンは主に2次予防の集いである。

参加者の約7割が後期高齢者である。大半の人が高血圧、高LDLコレステロール血症、狭心症などの虚血性心疾患、糖尿病、脳梗塞後遺症などの生活習慣病、脊柱管狭窄(きょうさく)症、骨粗しょう症などの骨・関節疾患を一つもしくは複数持っている。病気とは言えないが、全員が年齢的に程度の差はあるものの動脈硬化症がある。これら持病と付き合う方法、すなわち自己健康管理法を学ぶのがサロンの主目的である。

サロンは、上記の病気やそれらに関連したテーマについて、私が40~50分ほど話したあと、10~20分間質問に答えている。話すテーマで最も多いのは高血圧および薬に関連したもので、2カ月に1回は話している。

家庭血圧の測り方、毎日の血圧測定値がかかりつけ医の診療に役立つこと、降圧剤の量調節や過剰投与を防ぐことを学んでもらう。さらに薬と同じくらい大切な運動、食事、睡眠などの生活習慣や高血圧によって引き起こされる病気、脳梗塞や狭心症・心筋梗塞の予防についても話している。

参加者には、薬を6種類以上服用している人や睡眠導入剤を毎日服用している人もいる。高齢者の多剤服用と睡眠導入剤(精神安定剤)の怖さについては、最近、新聞や雑誌によく取り上げられている。今月17日の読売新聞は社説で警告を発している。厚労省は、高齢者への医薬品使用に関する初めての指針策定の最終段階に入った。近々、医師や薬剤師向けに、高齢者に多用される薬と主な副作用を示し、より慎重な処方と減薬などの工夫を求めるだろう。

病気や薬の話だけではない。ボール体操やスクエアステップの運動、漢字パズル、合唱などを楽しみながら脳を刺激している。歩きながらしり取りや引き算などをするデュアルタスク(運動しながら頭を使う行為)による認知症予防法も勧めている。

私たちのサロンに、自己健康管理を学ぶサロンを開きたいという人が見学に来る。健康管理について助言してくれる保健医療職をどう確保するかが問題である。市の健康増進課の出前講座を依頼するにしても、毎週あるいは隔週と継続的に利用できない。保健医療職ボランティアが出前講座するシステムも考えなければならない。

まず、各地区で前期高齢者が中心になって後期高齢者のためにサロンを開こう。そのサロンが毎日半日開かれ、地域の人たちの寄り合い処になるとよい。放課後の子どもたちの遊び場になってもよい。場所を確保するには、市の協力が必要だ。市が空き家や空き店舗を借り上げ、サロンに提供してほしい。次世代の壮年たちが後期高齢者を前期高齢者が支える情景を見て、いずれ自分たちにも順番が回ってくることを気付いてほしい。(高齢者サロン主宰)