《食う寝る宇宙》13 宇宙プロジェクトのキックオフ


【コラム・玉置晋】別にサッカーを始めるわけではないですよ。ビジネスシーンで「キックオフ」とは、新プロジェクトの最初のミーティングを指す―と知ったのは就職してから。キックオフミーティングを通して、自分とプロジェクトで関係する方々と意識合わせをして、作業がはじまるわけです。

「よし、〇月△日にキックオフをやろう」となると、 どんな人と仕事をするのだろう、どんな役割を担うのだろうと、ドキドキするものです。

今回の宇宙プロジェクトは衛星運用のお仕事の方ではなく、学生の立場で行う研究プロジェクトです。なので、研究費の中から交通費などはいただきますが、基本、ボランティア活動です。日本のビジネス社会では、この考え方(社内持ち出し)は通常成立しません。

かつてはボランティアが積極的に行われた時代もあり、日本が世界を主導した時代もあったと聞きますが、ロストジェネレーションの僕は経験したことがありません。

が、その様な状況が、過去の資産を食いつぶしつつある日本の病巣なのでしょう。この辺りの解釈はプロの社会科学者にお任せするとして、僕は、自分の研究を自己満足の世界から「世の中の役に立つ」ものに昇華させるためのプロセスと解釈して、モチベーションを保たせることにします。

早朝、土浦の家を出て、東京駅で茨城大の指導教官と合流し、新幹線で名古屋へGO。新幹線の中では、先生との内部ミーティングは程ほどに爆睡。なお、本日は学生身分での活動ですので、会社からは有給休暇をいただいております。仕事の方も、年度初め早々、リミットオーバしつつありますが、優秀な若手に「ヨロシク」と、楽しい方に突き進む僕を許しておくれ。

2時間ほどで名古屋駅に降り立ち、暑くもなく寒くもなく、ちょうどよい気温。地下鉄で会議場所の最寄り駅で降り、向かった先は名古屋大。キャンパス広い。来たのは3度目ですが、指導教官と一緒じゃなきゃ絶対に迷うと確信しながら歩く、歩く。ちょうどよい温度なのに、スーツ姿の僕は汗をかきました。

先週、風邪を引いて、38℃の熱発を起こした病み上がりの身にはちょっときつかったですが、目的地の名古屋大・宇宙地球環境研究所に到着。

宇宙地球環境研は「宇宙・太陽から地球までのシームレスな研究」を行う宇宙天気に関する研究拠点の一つです。発足2015年と、新しい組織です。近代的な建物の中に入り、担当の先生と1時間ばかり刺激的な議論を行い、とっても楽しかった。

一流と呼ばれる人の物腰の柔らかさと内に秘める鋭さを垣間見、大変勉強になりました。学食でカレーを食べて茨城への帰路につきました.

これでキックオフは成立、プロジェクトは開始です。これからはプロジェクトの成功を目指して、タスクとスケジュールを綿密に組んで、着実にクリアしていくのです。がんばるぞ!(宇宙天気防災研究者)