《地域包括ケア》11 歩いて通える所に介護予防拠点を

出典・厚労省

【コラム・室生勝】「地域包括ケアシステムの姿」イラストの中央下部に「生活支援・介護予防」とある。「生活支援」はお分かりだろうが、「介護予防」って何と思われる方が多いと思う。介護予防は、高齢者が介護を受ける状態になるのを防いだり、介護を受けている状態が悪化するのを防いで改善を図ることである。

私は3年前から、つくば市内で高齢者サロンを週1回開いている。急速に市街化した研究学園地区に新しく住み着いた高齢者が閉じこもらないようにとの思いからだが、自己健康管理法を習得してもらうことも目的としている。毎回約30名の参加者があり、家庭血圧の測定が自己健康管理の道具となって成果を上げている。

県内外から移って来た高齢者には、自分の意思で来た人たちと子どもに勧められて来た人たちがいる。サロンに参加する方は、自分の意思で移り住んだ人たちが多い。気が進まないまま移住した人たちでも、各戸配布したサロンのチラシを見て参加した人たちは、新しい友だちを得て「つくばを終の住処」と決めたようだ。

一方で、気が進まないまま移り住んだ人たちの中には、自宅に閉じこもったまま話し相手もなく、無為に毎日を過ごしている人もいるのではないかと気になる。閉じこもりは、脚力が弱くなるだけでなく、心臓、肺、消化器の働きの低下につながる。また食欲も気力も低下しがちで、寝たきりになりやすい。特に後期高齢者の閉じこもりは心配だ。

平均寿命が伸びるのと平行して、後期高齢者が増えている。ピークとなるのは1947~49年生まれの「団塊の世代」が後期高齢者になる2025年である。

今でも、独り暮らしや高齢者夫婦世帯が増えている。配偶者と死別して独りになったり、子どもたちが去り夫婦だけになると、買い物以外の外出は少なくなり、閉じこもりがちになりやすい。毎年、民生委員による独り暮らし高齢者と高齢者のみ世帯への訪問調査がある。インターホンだけの会話で終わる訪問もあるらしい。閉じこもりになっていないだろうか。

つくば市は、閉じこもり高齢者対策として、社協が支援している地域の「ふれあいサロン」や市の一般介護予防サービスを勧めている。一般介護サービスでは、運動を主にした5プログラム、心身両方の2プログラムが週1回、各地区の計8カ所で開かれている。だが、会場へ歩いて通える人たちは少ない。

こういったサービスは、後期高齢者に配慮した介護予防に転換すべきではないか。歩いて通える半径1km範囲に1カ所、民間サロンや心身両方プログラムの公的サービスの場を設けてほしい。民間サロンの運営を各地区の前期高齢者に依頼し、プログラムに自己健康管理を取り入れ、リタイアした専門職(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護師、リハビリ職、管理栄養士など)がボランティアで指導や相談に参加する方法も提案したい。(高齢者サロン主宰)