《映画探偵団》6 つくばと土浦 2つの中心市街区


【コラム・冠木新市】つくばセンター地区のことを考えるようになってから、市報を熱心に読むようになった。「広報つくば4」(No.569)には、2018年度市政運営について、五十嵐立青市長の所信表明概要が載っている。

6つの所信の1番目は「まちづくり」で、「本年度のまちづくりの最重要課題は中心市街地の活性化です」「魅力向上・にぎわい創出などの都市再生を実現するため『中心市街地まちづくビジョン』の策定を進めています」と出ていた。

ビジョンは6月発表というから、公表まであと2カ月。団員たちと首を長くして待っている次第である。

「まちづくり」といえば、この10年間、様々なイベントを主催する中で、多くのまちづくり関係者と出会い、意見を交わした。そして、ある共通点に気付いた。自分が住んでいるまちづくりには熱意はあるが、他のまちづくりには無関心なのだ。いや、情報は知っていて的確な分析を下しているが、他人事なのである。

他者の活動は客観視できても、自分たちの活動を正確に分析することは難しい。私は、他のまちづくりの人と積極的に交流すれば、アイデアも人脈も豊かになり、自分たちの課題も解決できるのではと、何度も思ったものだ。

つくばセンター地区を考える時、土浦中心市街地区のことを常に思う。長く低迷を続けた土浦は、新市庁舎の整備をきっかけに、市立図書館とギャラリーの開館、駅ビルのサイクリング拠点化、さらに市民会館大改修へと続く。

人々の回遊はまだまだの様子だが、明るい空気が漂ってきた。ある学者が「経済は気分だ」と語っていたが、ハコモノの次はソフトに期待している次第である。

「忍びの者」の2頭領

そんな2つの中心市街地のことを考えていたら、小学生のころ見た山本薩夫監督の『忍びの者』(1962)を思い出した。百地三太夫と藤林長門守が支配する2つの砦の伊賀忍者が、織田信長を倒すためにしのぎを削る話である。

競い合うのは、百地砦の石川五右衛門(市川雷蔵)と藤林砦の木猿(西村晃)。百地は妻に冷淡で物静かな頭領。藤林は女好きで激情家の頭領。陰と陽、反対の性格である。2人の頭領は相手方に先を越されるなと、ハッパを掛ける。

そんな伊賀忍者に激怒した信長は2つの砦に奇襲をかけた。ラストで五右衛門は、藤林の死体を見て驚く。百地と藤林は同一人物だった。百地の声が画面に流れる。『同一人物が2つの砦を支配し、互いの部下を煽り立て、競い合わせて目的を遂げる。これこそが忍術の極意じゃ』と。

私が「つくばと土浦を競い合わせる人物がいたら、活性化のスピードが増すかも」と言うと、団員の1人は「2つの中心市街地を支配する頭領がいても、肝心の競い合う市民、忍者がいません」と答えが返ってきた。なるほど、頭領よりも活動する忍者が不足している。出でよ、つくばと土浦の中心市街地の忍者たち!サイコドン ハ トコヤンセ。(脚本家)