【コラム・奥井登美子】コロナで休んでいた「河童(かっぱ)サロン」の復活。笛の名人・相崎伸子さんが「わらべ歌」を皆で歌おうと提案してくれた。歌いながら、みんなで手の指、足の指を動かして、外反母趾(ぼし)の予防運動にもなる。伸子さんの発明した楽しい遊びである。

伸子さんのご主人、相崎守弘先生の同僚だった島根大元教授の森忠洋先生も参加してくださった。森先生は「やってみませんか 家庭でできる生ごみの処理 生ごみ堆肥化・分解大作戦」という分かりやすく、面白い本を書いた人である。

「わらべ歌」も奥が深い。昔の歴史を知らないと理解しにくいわらべ歌もある。大黒様の唄(明治38年 石原和三郎作詞)。

♫ 大きな袋を肩にかけ、大黒様が来かかると、ここにいなばの白兎(うさぎ)、皮を剥(む)かれて赤裸、大黒様は哀れがり、「綺麗(きれい)な水に身を洗い、蒲(がま)の穂綿(ほわた)にくるまれ」とよくよく教えてやりました。大黒様のいうとおり、綺麗な水に身を洗い、蒲の穂綿にくるまれば、兎はもとの白兎 ♫

ガマのホワタとホオウの関係は?

「ガマのホワタって、いったいどのようなものなの?」

「聞かれたら、困ると思って、原っぱを探して、蒲の実を持ってきたわよ」

伸子さんは真茶色の、膨らんだ細長いダンゴのような蒲の草の実を、採ってきてくれて見せてくれた。赤裸の兎が、たちまち元の白い毛の生えた兎に戻ってしまう不思議さ。私は穂をごしごしとこすってみた。中からたくさん出てきたのは鮮やか過ぎるほど鮮やかな真黄色の粉末だ。

漢方薬「蒲黄(ホオウ)」という名で薬用の止血剤に使った粉らしい。「白くてふわふわしたものかと思ったら、違うのね」。わらべ歌に出て来る「ガマのホワタ」と「ホオウ」の関係は何なのだろう。

「ねっ、牧野富太郎先生教えてください」(随筆家、薬剤師)