【コラム・川上美智子】スポーツには疎い方ですが、小学3年生の孫に誘われて「茨城ロボッツ」を応援するようになりました。保育園のころにサッカーでつまずいた孫が、小学生になってから茨城ロボッツのスクールに通うようになり、すっかりバスケットファンになってしまいました。

昨シーズンも、アダストリア水戸で行われたホーム試合は全て応援に行き、さらにYouTubeでそれぞれの試合を何度も何度も観戦して、試合運びを分析するほどの熱の入れようです。休みの日には、敷地内の小さな中庭のバスケットゴールで腕をみがいています。

そのような折、ロボッツから試合後の選手に提供するリカバリー弁当の話が舞い込みました。私がオープニングでプロデュースのお手伝いをした「レストランAOYAMA」(水戸市赤塚)のオーナーシェフ青山雅樹さんから、メニュー作成と監修の依頼がきたのです。そんな形でお役に立てればうれしい話と、早速、前職場の茨城キリスト教大学の教員に声をかけ、ロボッツの西村大介社長と詰めに入りました。

昨シーズンが始まり、ロボッツがなかなか勝てなかった時期の話で、昨年12月に6者協定の話がまとまり、年明けから「茨城ロボッツ・スポーツニュートリション 6者連携プロジェクト」がスタートしました。この取り組みが功を奏したのか、この後は、ロボッツが勝利する試合が多くなりました。

「食」の応援プロジェクトは3本柱

このプロジェクトの内容は、以下のようなものです。

1つは、選手に対して月1回栄養カウンセリングを行うもので、茨キリ大学・生活科学部食物健康科学科の目黒周作講師と田井勇毅講師が担当しています。選手それぞれが日ごろより食生活を改善して、強い体、ケガをしない体を作るためのものです。

2つ目は、ホームゲーム後の速やかな体のリカバリーを目指した補食弁当の提供です。メニュー監修は、当方を中心に茨キリ大学が行い、弁当の調理はレストランAOYAMAが担当します。

さらに食材提供として、JAグループ茨城、県酪農業協同組合連合会、県畜産農業協同組合連合会が加わり、安全やおいしさにこだわった茨城県産食材の弁当が誕生することになりました。YouTube で、JAのクオリティLabでの対談「茨城ロボッツ:アスリートと食」が配信されています。

3つ目は、ここで蓄積したスポーツ栄養のノウハウを茨城県の子どもたちの食育やスポーツ選手育成に生かしていく意義あるものです。

このプロジェクトに関わっている全員がボランティアで臨んでおり、今年はさらに、選手が食するロボッツ弁当をアダストリア水戸で何回か一般向けに販売し、選手の弁当の食材費に充てたいと考えています。

10月1日、いよいよ新シーズンが開幕します。選手の強化により、先に開催されたプレシーズン戦は、B1「富山グラウジーズ」と、B2「アルティ-リ千葉」に快勝しました。次年度B1リーグ生き残りの条件、観客数平均4000人以上―などをクリアするため、「GEAR UP 4000 PROJECT」も始まっています。県全体で応援する態勢ができればと強く願っています。(茨城キリスト教大学名誉教授)