【コラム・佐々木哲美私たち「宍塚の自然と歴史の会」は、関東平野有数の規模と質を誇る「宍塚の里山」の保全、ここを活用した環境教育・自然調査などを、多様な主体に参加してもらい実施してきました。具体的には、観察路の整備、小川・林・湿地の保全、自然農田んぼの体験、里山内にある池の外来生物駆除などです。

ところが、これらの活動に参加する子供、母親、女子学生の着替える場所やトイレの確保が切実な問題でした。このため、3年前、里山に隣接した築百年以上の住宅を購入し、手を加えて、そういった場所として使うことにしました。

傷みが激しいですが、古民家に詳しい一級建築士に調べてもらったところ、里山の歴史や文化を伝える価値のある建物であることが分かり、「百年亭と名付けました。そして、「百年亭再生プロジェクト」を立ち上げ、修復計画、資金調達、活用計画を立てています。修復はできるだけボランティアを募って行います。その活動は本サイトの記事、古民家「百年亭」再生プロジェクトがスタート(3月28日掲載)で紹介されています。

クラウドファンディングで300万円募集

今回、その資金集めの方法として、クラウドファンディングを活用することにしました。「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」方法で、新たな資金調達の仕組みとして注目されています。期間は9月5日~10月21日、第1期目標額は300万円です。

クラウドファンディングに並行して、助成金申し込みも受け付けます。建物の完成には800万円程度が必要ですが、様々な手法で宍塚の里山の重要性を伝えながら進めます。

我々の目標はあくまでも、緑豊かな里山を次世代に良い形で引き継ぐことであり、現在行っている保全活動はそのためのものです。そして古民家修復プロジェクトは、活動を楽しく効率的に進めるためのものです。このプロジェクトを通じ、新たな若者たちに加わってもらいたいと思います。

将来的には、私たちの会員が利用するだけでなく、広く市民に開放された「ミニ・ネーチャー・センター」として、地域の交流拠点になればと思っています。(宍塚の自然と歴史の会 副理事長)

<クラウドファンディングのリンク先はこちら 募集は9月5日午前0時から開始