【コラム・原田博夫】前回のコラム(2月27日掲載)原稿を編集部に提出した数日後、私のパソコンがウイルスに汚染されました。今回はその顛末(てんまつ)をお話しします。

Wi-Fi接続していたPCが、2月23日午後2時過ぎ、けたたましい警告音(サイレン)とともに、甲高い女性の声「PCの電源を切らないで」が繰り返されました。PC画面には、赤字で「ウイルスに感染されました、至急、034-579-0166に電話をください」が出ている(あえて、その時の不自然な電話番号を表示しておきます)。

とりあえずは電話すると、画面で「MICROSOFT Windows, Mike Miller」と自称する人物が音声(不自然な日本語)で出現し、無料診断の結果、私のパソコンの問題点は「1.service stop, 2.no network security, 3.hacker found」だと表示。加えて、ハッカーの顔写真(囚人風の外国人(ボカシ))が表示され、恐怖感を煽(あお)る。

これを解消するには、plan 1(4年間保証で2万円)かplan 2(7年間保証で3万円)だと、と迫ります。私は、これはおかしいと反論するも、この担当者は近くにコンビニはあるか、と問う。コンビニFがあると答えると、そこで該当額のGペイカードを購入するように、と指示。

半信半疑ながら、そのコンビに出向き、店員(40歳前後の男性)にGペイカードの所在を尋ね(そもそも使ったことがないので)、経緯を話すと、「振り込み詐欺かもしれない」と案じ、「一度、家電屋で見てもらった方がいい」とアドバイス。我に返り(カードを購入せず)自宅に戻り、この間(15分程度)接続していたPCをシャットダウン。

ロシア製の対策ソフトをインストール

次は、近くの家電量販店Kでのやり取り。担当者(30歳前後の物静かな青年)は、PCのハードディスクをチェックし、特に問題は発生していない模様だと仮診断。私からは、思い返すと、ここ2週間ほど、PC導入時にデフォルトで設定したウイルス対策ソフトWの更新要求メッセージを無視していたことが今回の原因なのかもしれない、と反省の弁。

するとこの担当者は、同店推薦のソフトK(店頭販売のウイルス安全対策ソフト、3年保証、13,200円)のインストールを勧め、私もそれに応じました。その後、ウイルス対策は支障なく動作しているようですが、このソフトKはロシア人が設立した企業で、その持株会社はロンドンの企業とのこと。

まさに、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界のゆえに、何がより完全な対策なのか不明ですが、ロシアのウクライナ侵攻の前日だったことと符合しているとも感じています。ご参考までに、皆様にご報告しておきます。(専修大学名誉教授)