《食う寝る宇宙》6 宇宙世紀はどこへ?


【コラム・玉置晋】「宇宙世紀0079(ダブルオー・セブンティー・ナイン)、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、…」。私が大好きな「機動戦士ガンダム」の冒頭ナレーションの一部です。2014年に亡くなられた声優の永井一郎さん(サザエさんの波平さんの声もされていました)のいぶし銀の声に、「燃えあが~れ~」です。すみません、ガンダムのネタとなると、ややハイテンションとなります。

さて、ここで出てくる「宇宙世紀」。小学生のころ(1980年代後半)、人類は1999年のノストラダムスの大予言を克服し、きっと21世紀になったら、世界政府を樹立し、「西暦」から「宇宙世紀」が宣言されるに違いないと妄想していました。

当時は、ソ連でペレストロイカがはじまり、ベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終結し、核の冬が遠ざかり、終末時計の針は反時計回りに動きました。ソビエト連邦が崩壊した1991年段階で「終末17分前」でした。

スペースシャトル「チャレンジャー号」の悲劇的な事故があっても、宇宙への歩みを止めなかったアメリカと、ちまたではバブル好景気に浮かれつつ、景気の後押しでTBSの秋山豊寛さんを、バイコヌールからソユーズで宇宙に飛び立たたせ、日本人初の宇宙一声が「これ本番ですか?」で、僕をズッコケさせた日本。実に希望に満ちた時代でした。

刻は流れ、2018年。宇宙世紀どころか、世界は「自国優先主義」に向かっています。終末時計は、2017年発表では2分30秒前でした。冷戦末期軍拡競争ピークの1984年の3分前より悪化しています。

当時は今より賢い人が多かったようで、米ソは核弾頭数の抑制に振れていきましたが、2018年を見ると、1月も半ばを過ぎ、終末時計の残り時間が増える様子は見えません。また、今のマスコミの風潮もちょっと怖いです。「戦線から遠のくと、楽観主義が現実にとって替わる」という、僕が好きなアニメ「機動警察パトレイバー2 the Movie」に出てくるセリフが胸に刺さります。

僕もね、宇宙天気防災の研究は推進したいのですが、宇宙天気災害と同様の影響を受ける電磁パルス攻撃の影響について、想定しないといけないのですかね。「宇宙世紀」は程遠い。まあ、ガンダムでは世界の統合を目指したはずの「宇宙世紀」に戦争をするという人類の愚行が描かれているわけですが。リアル世界の人類はガンダムの世界を反面教師にしてほしいものです。

最後に「機動警察パトレイバー2 the Movie」より一言。「不正義の平和だろうと、正義の戦争より余程ましだ」(宇宙天気防災研究者)

追伸:2018年1月25日に最新の終末時計は史上最悪に並ぶ2分前を指した。