【コラム・玉置晋】本来、本コラムは沖縄旅行の合間に書くつもりだったのですが、残念ながらコロナ禍が収束せず、旅行は断念しました。会社には事前にお休みの申請を出していたので、わが家は大掃除を行っています。

旅行がなくなってしまったので、わが家の奥方もご機嫌ナナメのご様子で、僕としては暗雲が通り過ぎるまで低姿勢で地雷を踏まぬようにと、気をつけてはいるのですが、「ほら、そこ、汚れ落ちてない!」と。しまった、大掃除という地雷原に迷い込んでおります。

宇宙のゴミに関するお話は、SFの中では随分昔から題材になっていますが、今や現実の問題として日本のみならず世界中で議論されています。この原稿を書いている時点(2020年12月22日)で、4万7295個の宇宙物体が登録されています。これは観測可能な10センチ以上のものです。

このうち3万9021個は宇宙ゴミ(Space Debris)として分類されています。1万7702個は大気圏に突入して燃え尽きましたが、残りは軌道上を高速で飛び回っています。

10センチ未満の宇宙ゴミはもっと沢山あるのですが、現時点では観測・公開はされていません。放っておくと、これからどんどん増えていきます。運用中の人工衛星に宇宙ゴミが接近する場合は逃げる必要があるので、衛星運用者はとっても困っています。

宇宙ゴミを回収する仕事が、ビジネスとして成立する世界が出来つつあります。日本の民間会社も数社参入してきているので楽しみですね。僕が研究している宇宙天気も宇宙ゴミの掃除とも関係していて、太陽活動が活発な時期は宇宙ゴミが大気圏に落ちて掃除されやすくなります。

大学院の半期学費はお小遣い2ヵ月分

僕が大学院で宇宙天気や宇宙ゴミの研究を進めるためには、年に2回授業料を納入する必要があります。僕が在籍している茨城大学の場合、半期で26万7900円なのですけど、授業料半額免除(年収900万円未満なら通ります)+長期履修制度(3年間を6年間に延長)を適用すれば、6万6975円で済みます。

僕のお小遣いを暴露しますと、月あたり3万円いただいていますので、大体お小遣い2カ月分で半年間大学院研究することができます。研究したいテーマがある方は挑戦してはいかがでしょうか。

もう一つアドバイス。研究生活においては、くれぐれも奥方の地雷を踏まぬようにね。(宇宙天気防災研究者)