【コラム・堀越智也】今年1年を振り返ると、世の中に私たち市民に強い影響力を持つトップが代わった年でした。アメリカの大統領、茨城県知事がその代表です。前の年には、東京都知事、つくば市長が代わりました。これらのトップの交代は、今後、私たちの生活に大きな影響を及ぼすことは間違いないと思います。

トップが代わらずにいることは、政治に関して言えば、安定と引き換えに、癒着や停滞を生む可能性があります。逆に、トップが代わることは、変化が期待できるとともに、どう変わるか分からず不安になることもあります。

ある地域では、地方公共団体のトップが代わったことで、前トップを応援していた企業が仕事をもらえなくなり、資金繰りが厳しくなったと聞いたことがあります。

トップが代わっても、代わらなくても、メリット、デメリットの両方あるのです。そうだとすると、企業を経営する立場からすれば、団体のトップが誰であろうと、存続できる体制をつくることが重要であると思います。

日本の企業の99%が中小企業ですが、そのうち10年以上存続する企業は6%に過ぎません。それだけ厳しい企業経営を「4年に1回代わる可能性があるところ」に頼ることは理論的に危険、と考えるのは当然です。

中小企業が99%である以上、日本を支えているのは紛れもなく中小企業です。池井戸潤氏の小説がテレビなどでドラマ化され、中小企業の大切さが描かれていますが、僕も家族と一緒に見ています。

私自身、今年、「ラヂオつくば」という中小企業の社長を勤めることになりました。また、中小企業家同友会での活動や、起業家を育てるイベントの主催を通して、中小企業をサポートできる自分を育てています。

さらに、茨城ロボッツやつくばFCなど、地域のスポーツチームをサポートすることで、地域の活性化にも貢献したいと思っています。そんなスポーツチームも、地元企業のサポートが不可欠です。

地方創生の時代、中小企業の役割は益々重要になるでしょう。来年も、中小企業の支えになれるよう、精進したいと思うクリスマスイヴ。(弁護士)