【コラム・玉置晋】11月16日9時27分(日本時間、米東部時間は15日)、野口宇宙飛行士が乗ったスペースX社の新型民間宇宙船「Crew Dragon」が米ケネディ宇宙センターから同社のFalcon 9ロケットで打ち上げられました。10分後には国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)に向かう軌道に投入され、打ち上げ成功となりました。

ちなみに1段目ロケットは海上のドローン船に「着陸」し、再利用されるという凄技も成功させています。その後、Crew Dragonは、27時間かけてISSに接近し、11月17日13時すぎにドッキングに成功しました。

Crew Dragonは、2019年3月に「Crew Dragon Demo-1」という無人テスト飛行(宇宙服を着たダミー人形を搭載)、2020年5月に「Crew Dragon Demo-2」という有人最終テストを成功させました。そして、今回、実運用初号機に野口さんが搭乗しました。このコラム「かっこいい宇宙船の打ち上げ!」(6月5日掲載)でも書きましたが、この宇宙船はとにかくカッコいい。昭和生まれの僕としては、ようやく21世紀がやってきたと、やや興奮気味です。

プロマネは宇宙天気キャスター候補

野口さんの打ち上げ時の宇宙天気はどうだったか? ニュースなどでも全く話題にならず悔しいので、せめて「NEWSつくば」には書かせていただきましょう。

太陽には目立った活動領域(黒点)はなし。太陽フレアなどの爆発現象の発生もなし。地球周辺はどうだったかというと、オーロラ活動は低調で、磁気嵐の発生はなし。「実によい宇宙飛行日和(びより)」でした。メディアのみなさん、宇宙天気も注目しておいた方がよいと思いますよ。

僕はABLabという宇宙ビジネスサロンで「宇宙天気プロジェクト」リーダ-をしています。そこでは、近い将来、宇宙天気キャスターといった新たな職域つくり出そうと熱い議論をしています。このたび、プロジェクトマネージャーをお迎えすることになりました。この方は地上の天気予報士、天気キャスターとしてテレビや講演会で活躍している方です。

この方に「宇宙天気キャスター」という肩書が加わる日は遠くないでしょう。このコラム「求ム!宇宙天気防災カリスマリーダー」(1月26日掲載)に書いたことが着々と実現しています。僕たちはこの強力なカリスマリーダーとともにミッションを実現していきます。(宇宙天気防災研究者)