《映画探偵団》2 つくばセンター地区の形

今回のテーマをイメージしたイラスト

つくばセンター地区活性化のヒントとなる映画を探そうと提案したが、団員たちは見つけられなかった。決して怠けたのではない。「まちを守る」「まちの魅力」を描いた作品は多いが、「まちづくり」となると意外にないのである。私もセンター地区内のレンタルビデオ店でチェックしたが見つからなかった。誰か知っているのなら教えて欲しい。そして団員になってもらいたい。

私は改めてセンター地区内に立つ黒い長方形の地図盤を観察してみた。センター地区内には北から南にかけて様々な建物がある。筑波学院大学。プラネタリウムのあるエキスポセンター。つくば市民ギャラリー。江戸の古民家を移築したさくら民家園。中央図書館とアルスホールとつくば美術館。つくばセンタービルのオークラホテル、吾妻地域交流センター、ラジオつくば、ノバホール、イノベーションプラザ。BiVi。常陽銀行。筑波銀行。カピオホール。国際会議場などなど。

歩いて30分以内の空間に劇場やホールが幾つもあり、いつもイベントが開催されている。私はケーブルテレビACCSの『月刊チラシズム』なる番組を担当し、月2度チラシを紹介している。つくばでは月に約100のイベントがあり、その半数強がセンター地区内で行われている。実に活発な所なのだが、なぜかパッとしない長方形の空間である。

しかしセンター地区の地図盤を眺めていて気がついた。「あ、これはモノリスではないか!」と。50年前の1968年に、スタンリー・キューブリック監督は、33年先の未来を背景にした映画『2001年宇宙の旅』を制作した。33年先の未来をどれだけ想像できるだろうか。現在で言えば、2051年を描くようなものである。今では映画史に燦然と輝く名画も、公開当時は「理由がよく分からない」という声が多数を占めた。高校生だった私の周囲でも見て来た人は皆首をかしげていた。無理もないのだ。物語の説明が一切省略されていたからである。

映画は、古代アフリカの類人猿から始まる。突然、類人猿がわめくと目の前に長方形の黒石板がある。黒石板を見た猿が手にした骨を放り上げると宇宙船にカットは変わる。次に宇宙ステーション、月面基地にある黒石板。さらに木星付近に浮かぶ巨大な黒石板に宇宙飛行士が吸い込まれ、光の洪水を浴びた果ては奇妙に光る室内になる。老いた宇宙飛行士がベッドで死にかけているとその前に黒石板がそそり立っている。飛躍する時空間をつなぐ黒石板モノリスだが、この謎めいた物体の説明も一切ない。

長方形のモノリスとセンター地区が私には重なって見える。活性化を考えるよりも先に、センター地区の長方形の構造を理解すべきではないだろうか。そこに問題解決の鍵が眠っている。改めて思う。長方形のセンター地区の空間は、謎のモノリスなのだ。けれども、この話を団員に語った時、皆首をかしげていた。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(冠木新市)