【コラム・先﨑千尋】

森友問題
佐川理財局長(パワハラ官僚)の強硬な国会対応がこれほど社会問題を招き、それにNOを誰れもいわない
これが財務官僚王国
最後は下部がしっぽを切られる。
なんて世の中だ、
手がふるえる、恐い
命 大切な命 終止府(ママ)

「この事実を知り、抵抗してきたとはいえ関わった者としての責任をどう取るか、ずっと考えてきました。事実を、公的な場でしっかりと説明することができません。今の健康状態と体力ではこの方法をとるしかありませんでした。家族を泣かせ、彼女の人生を破壊させたのは、本省理財局です。私の大好きなお義母さん、謝っても、気が狂う程の怖さと、辛さ こんな人生って何?」

森友学園問題で自死した元財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんの遺書(手記)を読む。何度読んでも涙が出る。赤木さんが自ら命を絶ったのはまだ2年前のことだ。『週刊文春』は3月26日号にその全文と、取材した元NHK記者・相澤冬樹さんの記事を載せている。さらに、「8億円値引きに問題がある」「赤木さんの妻の全告白」「安倍答弁と改ざんは関係あるという財務省幹部の音声」などを続報で伝えている。

この赤木さんの手記は国会でも取り上げられ、野党の議員が「文書の改ざんは、首相の『私や妻が関係していれば首相も国会議員も辞める』という発言がきっかけではないか」と質問したのに対し、安倍首相は、手記にはそのことは書かれていないと逃げ、「財務省が報告書をまとめているので再調査はしない」と答えている。

この答弁に対し、赤木さんの妻は「答弁はすごく残念で、悲しく、怒りに震えている。夫の遺志がないがしろにされていることが許せない。(首相と麻生財務相は)調査される側で、再調査しないと発言する立場ではない」と強く批判している。

保身のための政治や行政

手記に戻ろう。手記はA4判のワープロで7枚ある。

赤木さんは森友学園への国有地払い下げには関わっていなかったので、値下げなどの交渉経過は知らなかった。しかし、国会での安倍首相の「関係ない」発言ののち、当時の佐川理財局長が「交渉記録は廃棄した」と答弁したことから国会が紛糾した。つじつまを合わせるために近畿財務局が改ざんに手を染めることになり、赤木さんがその仕事を押し付けられ、抵抗したが、数回にわたり修正した。

手記は、その経過や国会での財務省の虚偽答弁について詳しく書いている。さらに、刑事罰、懲戒処分を受けるべき者として、佐川理財局長らの名前が実名で記載されている。

私は、赤木さんの手記と安倍首相らの答弁、関係者の証言を比べ、血の通わない、ひたすら保身のための政治や行政をしている人たちにやりきれない気持ちと強い怒りを覚える。

赤木さんの妻は3月18日に国と佐川氏に損害賠償を求めて、大阪地裁に提訴したので、今後法廷の場で公文書改ざんの真相解明がなされることが期待される。赤木さんの妻は「安倍首相や夫の職場のことを責めるつもりはない。ただ夫の死の真相を知りたい。それだけだ」と語っている。(元瓜連町長)