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土浦市立図書館

入沢弘子館長

また、光が降ってきた。足元を照らす光の帯に視線を移し、たどった先は天井近くの窓。雲が早く流れている。青空が広がっていく。思い悩んでいたことが吹っ切れた。光輝燦然(こうきさんぜん)。この光とともに前へ進んでいこう。この場所から、新しい物語が始まろうとしています。

土浦市立図書館は、1927年生まれの今年93歳の図書館。土浦の長い歴史を刻んできた図書館が、今年11月27日に土浦駅前に移転開館しました。

初めは、今の筑波銀行本店の場所にあった土浦町役場内に開館。開館翌年の1928年には、第1回の土浦花火大会が実施されました。ツェッペリン号が飛来した翌昭和5年には、現在の常陽銀行土浦支店の場所にあった元霞ケ浦航空隊下士官集会所に移転。1969年に現在の土浦博物館の場所に、73年には文京町に移転しました。

新図書館の必要性は21年前の1996年から審議され、2006年に建設が決定。リーマンショックと東日本大震災の影響による2度の事業中断を経て、ついに完成したものです。

新図書館への引越しと開館準備には3カ月を要しました。段ボール約9000箱分の本の搬入と書架への配架。約35万冊の書籍や資料へのICタグ貼り付け。修理が必要な書籍や約1000冊の紙芝居の修理。蔵書を管理するパソコンシステムの導入と動作や利用法の確認。書棚や家具備品類の納入。

さらに、新しい設備とこれまでの4倍の面積のフロアに対応するための職員の配置や訓練。駅前に立地することからの危機管理対策―などなど。休日返上で夜遅くまで作業する職員と、約50名の市民の配架ボランティアのおかげで、ついに開館日を迎えることができました。

11月27日午前10時、入口前に並んだ約100名の方が次々に入館。「うわ~、明るい!」感嘆の声をあげながら、エントランスの吹き抜けから差し込む外光を見上げる来館者の方々。ここは、光の図書館。これから、この新しい場所でたくさんの物語が生まれていきます。(入沢弘子)

【いりさわ・ひろこ】1962年、福島県喜多方市生まれ。1969~76年、新聞記者だった父の転勤で土浦市に住まう。約30年の博報堂勤務のあと、つくば市任期付職員として広報・プロモーションを統括。2017年4月、土浦市立図書館長(公募)に着任。