【コラム・坂本栄】新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ネットを使ってできる仕事は自宅でやってくださいと、テレワークが推奨されています。当サイトは作業の多くを以前からテレワークに依存していますので、今回はこの辺りの話を取り上げます。

新聞など活字メディアの編集作業は、取材→執筆→点検→表示といった流れになります。昔はこの過程に人的な接触が介在していましたが、現在は、執筆=パソコン、原稿送り=メール、デスクとのやり取り=携帯電話―と、ネット機能をフルに使っています。こういった作業はテレワークそのものといえます。

しかし、人的な接触をゼロにはできません。取材には人とのコンタクトが必要ですし、編集作業にはツバが飛ぶ議論も必要になるからです。こういった接触は、1対1であれば携帯、複数であればLINEのグループ機能で代替できないことはありません。でも、人的な接触があった方が、意思疎通は円滑になります。

わたしたちは週1回、筑波学院大内の編集制作室で会議を開いています。議論はLINEでも可能ですが、各記者が意見を書き込むこの機能を使うと、自己主張が前面に出てしまい、議論が暴走する傾向があります。この種の議論は相手の顔が見ながらの方が生産的です。リアルな会議→LINEで議論は避けたいのですが…。

わたしのテレワーク

この会議を除くと、私の作業も基本テレワークです。このコラムの執筆、23人のコラムニストからメールで送られてくる原稿のチェック、担当デスクへの完成原稿のメール送りなど、すべて自宅の書斎でやっています。ちなみに、デスクは自宅からサーバーにアクセスして、記事と写真をこのサイトにアップしています!

こういった私の作業に、半年前から、動画の編集が加わりました。「コラムニスト昼食会を開きました」(2019年4月1日掲載)で触れましたように、NEWSつくばは、ケーブルテレビ局「J:COM茨城」にデイリーニュースのVTRを提供するようになったからです。その作業は以下のようなものです。

通常の取材の際、記者には動画も撮ってもらい、必要な音声と一緒に大容量ファイル転送サービスでメール送りしてもらいます。これらの記事、映像、音声を素材にして、動画と音声をチェックしながら、局のアナウンサーが読む原稿を作成します。ここまでは自宅での作業です。この先は、編集制作室に出掛け、制作担当に映像制作ソフトを操作してもらい、ニュース用VTRを完成させます。

半月前から、この仕上げ作業もテレワークに切り替えました。整理した映像素材と指示文書を制作担当にメールで送り、数度の往復を経てVTRを完成させるという手順です。ネットさまさまの73歳テレワーカーの話でした。(NEWSつくば理事長)

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