【コラム・室生勝】タイトル絵「生活支援・介護予防サービスの提供イメージ」の「自治会単位の圏域」のところの「交流サロン」や「コミュニティカフェ」が「通いの場」の一つである。そこで、つくば市の常設「通いの場」の確保を考えてみた。

空き家、空き店舗や倉庫、空き教室、集会所、大店舗や福祉・医療施設の開放スペースなどを借りる方法である。空き家は市の住宅政策課に、空き教室は教育委員会に相談するわけだが、積極的な支援がほしい。廃校の教室利用も同様である。

空き店舗・倉庫や集会場は地域の情報から得られる。集会場は定期的に利用されている場合もあるし、たまに使われるところもある。大店舗や福祉・医療施設の開放スペースも、週1回~毎日オープンの条件や音漏れについては貸主と協議することになる。高齢者世帯が自宅の一部を提供する場合もあるだろう。

通い場の設備は、出入口も含め段差がないかあっても少ないこと、土足のまま利用できるフロア(コンクリートは避けたい)、洋式トイレ、洗面所―などが必要である。備品はテーブルとイス、ホワイトボード、電気ポット―など。紙コップ(マイカップ持参もあり)、お茶類は参加費で用意するが、これらを入れる戸棚も必要となる。

「通いの場」は多世代が利用すべき

常設の通いの場を地域づくりの拠点にするには、コピー機が欠かせない。区会(自治会)、ボランティアグループ、子ども会などの役員や世話人の話し合いには、その場での資料づくりもあるからだ。それらの団体の事務局を置くとなると、戸棚も必要となってくる。

備品や運営資金は、行政の補助金のほか使用料に頼ることになるが、借り賃はできるだけ低料金が望ましい。常設の通いの場を区会(自治会)が地域づくりの拠点とし、利用団体と共同して運営に当たってほしい。特に、新しく開発された地域では区会活動の拠点がないので、市に斡旋の新設を要請すべきと思う。

通いの場は多世代が利用すべきである。午前~午後前半は高齢者、午後後半~夕方までは子どもたち、夜は青壮年世代―と、基本的な割り振りをする。午後後半の子どもたちに母親世代や前期高齢者が加わる場合や、夜の青壮年世代に高齢者が参加する場合もあっていい。

大勢の人が集まる通いの場は、伝染性感染症が流行ったときに一時閉じなければならない。新型コロナウイルス感染症のことで、私の主宰する高齢者サロンを2月から中止している。周りから決断が早すぎると言われたが、80歳以上が20名と参加者の半数を占めるので、これでよかったと思っている。(高齢者サロン主宰)

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