【コラム坂本つくば市の総合運動公園予定地跡処理の方向性が揺らいでいます。執行部が提案した一括民間売却案に多くの市議が異を唱え、スポーツ施設などに活用した方がよいといった意見が出てきたからです。市長の五十嵐さんはこの問題でもイニシアチブを発揮できず、執行部の影が薄くなっています。

市が8月に発表した予定地跡(広さ46ヘクタール、取得額66億円)処理案は、商業施設+流通倉庫+老人施設に使いたいと言ってきた民間業者に一括売却するものでした。ところが議会はこの案を棚上げにし、自分たちで考えるからと、特別委員会(議長を除く市議27人で構成)を立ち上げました。

先月開かれた特別委で市議が示した活用案については、本サイトの記事「一括売却に反対多数 つくば市議会特別委」(11月7日掲載)をご覧ください。発言内容はこの記事を読んでいただくとして、総覧するには議会事務局がまとめた意見一覧が便利です。

それによると、複数意見もカウントした延べ人数は、スポーツ施設(陸上競技場、室内プール、総合体育館、グラウンドゴルフ場)9人、避難所・防災拠点8人、道の駅4人、公園・キャンプ場・多目的広場・子供の遊び場4人、市営墓地・市営斎場3人、教育施設・文化施設3人―と、予定地跡は何らかの形で市が活用すべきだとの意見が多く、一括売却案を支持した市議は5人だけでした。

運動公園用地跡はスポーツ施設に?

市議の意見分布から占うと、売却は取り止め、市有地として残し、スポーツなどの施設として活用する、といったところに落ち着くのでしょうか。議会は「スポーツ施設一つ」を落としどころとしている、との情報もあります。ちなみに、住民投票で否定された市原前市長の総合運動公園計画は「スポーツ施設三つ」(陸上競技場+サッカー場+体育館)でした。

先のコラム「つくばの政治テーマ 総合運動公園問題」(5月6日掲載)でも触れましたように、五十嵐さんは総合運動公園批判を展開して市長に当選、予定地跡の適正処理も公約していましたから、仮に上のような展開(類似コンセプトのスケールダウン)になった場合、おかしなことになります。

執行部と議会の関係では昨年も同じような事例がありました。TXつくば駅前のデパートが撤退したあと、執行部は市が出資する複合ビル構想を立案しながら、議会に否決されそうだと判断して議案を引っ込めてしまったことです。第1パラグラフで「この問題でも…」と書いたのは、このプロセスを思い出したからです。(経済ジャーナリスト)

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