【コラム・入沢弘子】どうしてあなたは図書館に行くのでしょう? 本や雑誌を読んで借りる、CDやDVDを視聴する、調べものや自習をする、おはなし会に参加する…。ほかにはどのような過ごし方をしますか?

当館では、来館目的と、滞在中の過ごし方についてお聞きする「利用者動向調査・あなたは何しに図書館へ?」を1日から15日まで実施しています。出口に設置した表の該当箇所にシールを貼るだけ。ぜひご協力ください。

当館は、来館された方が快適に滞在できるように、「こんなことがあれば長く居たくなるかもしれない」と思うことは取り入れてきました。

例えば、椅子がさまざまな場所にあり必ず座れ、飲食できる場所があり、子どもが大きな声を出しても叱られず過ごせ、大人も多少のおしゃべりOKの席があり、雑誌を読みながらコーヒーが飲め、持ち込んだパソコンで仕事ができ、テラスでぼんやり過ごすこともできる―などです。

おかげさまで、最近は長時間滞在される方が増え、図書館周辺でも大勢の高校生たちが寛(くつろ)ぐ姿が見られて嬉(うれ)しいかぎり。

「居心地が良い」「第三の居場所」

なぜなら、当館が移転した目的の一つには、市民の皆さんの憩いの場所になり、駅前の賑わいをつくるということがあったからです。

図書館長の応募動機も、本を通じて土浦のコミュニティやまちづくりに貢献し、活気を生みたいということでした。目的達成のためには、まず図書館自体が親しみや居心地の良さを感じられる場所であることが大切ではないかと考えました。

そして、図書館を職場・学校や家庭とも違う、「第三の居場所」として認識し、滞在してほしいという願いで運営を続けてきました。

利用者動向調査の「何をしに図書館へ来ましたか?」の回答欄の「何となく(暇だから)」には、毎日多くのシールが貼られています。この傾向は大歓迎です。まさに第三の居場所。「居心地が良い」と感じていただいているからでしょう。

目的がなくても思わず足が向いてしまう場所。11月下旬の開館2年目を前に実現できそうです。(土浦市立図書館長・市民ギャラリー副館長・市広報マネージャー)

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