《食う寝る宇宙》47 「クルマ」が空を飛ぶ時代


【コラム・玉置晋】「あちゃ~」。操縦していたドローンを不時着させてしまった僕は、思わず声を出してしまいました。今、ドローンの操縦を習っています。「余計な声を出す暇があったら正常な状態に戻す!」と指導してくださる方は「茨城ドローン協会」の樋口達哉先生です。

樋口先生は、長年、ヘリのパイロットを勤められた空のプロです。ドローンを飛ばしているとき、操縦者は空を飛んでいる感覚になります。先生曰く「人間が空を飛ぶことは異常事態であり、脳は3次元への不適応から思考が低下する『6割頭』の状態にある。それは脳の特性である。だから訓練が必要だ」と。このことを僕は身をもって知りました。

2018年12月20日、「空飛ぶクルマ」実現に向けたロードマップが発表されました。19年現在、ドローンを使ったモノ運搬の実証研究が行われています。20年代半ばにはモノの運搬の事業化、地方ではヒトの移動(ドローン=空飛ぶクルマ)が始まります。都市でのヒトの移動は30年代からです。

僕の「6割脳」の想像力を遥かに超える世の中がデザインされています。生活スタイルが一気に変わる予感です。詳しくは、経済産業省・国土交通省「空の移動革命に向けたロードマップ」をご覧ください。

宇宙天気がドローンに与える影響 

宇宙天気の社会インフラへの影響について研究している僕は、社会の様々な分野へのアプローチを開始しています。ドローンと宇宙天気は一見関係がないように思えますが、宇宙天気の影響を受ける可能性があるGNSS(Global Navigation Satellite System 全球測位衛星システム)に依存するドローンが、爆発的に利用される時代に突入していることから、宇宙天気リスクの検討対象にしています。

宇宙防災プロジェクト」の一員である樋口先生に、「宇宙天気がドローンに与える影響を知りたいのですが」と相談したら、「百聞は一見にしかずだよ」とお誘いいただいたのが、ドローン講習のきっかけです。

ドローンはGNSSの電波を捕捉して、自動操縦モードだと非常に安定するため、素人でもある程度の操縦ができます。しかし、その電波を切りマニュアルモードにした瞬間、あれよ、あれよと、意図しない方向に動いていきます。「6割脳」がおかしな操作をしてしまうんです。だから訓練が必要なんだな、もしもの際のためにね。(宇宙天気防災研究者)

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