《食う寝る宇宙》46 宇宙ファミリーと長野の天文台へ③


【コラム・玉置晋】国立天文台野辺山宇宙電波観測所は、宇宙からやってくる電波をパラボラアンテナで受信します。受信データを研究者や学生が解析し、星の誕生や生命の起源、太陽電波の監視、ブラックホールの発見、銀河の構造を知る研究、宇宙地図作り―などが行われてきました。

宇宙ファミリー、マサヒロ父さん、サチコ母さん、小学生のユズノ、ソメノ、ブンタと共に、長野県の野辺山で天文台を見学しているはずでしたが、僕は山で「遭難」して、なんとか下山するまでが、前回コラム(9月8日掲載)の話でした。

「お~い!行くよ~」、僕が断念した飯盛山の頂上から戻ってきたブンタが大声で叫んで、手を振ってくれました。45メートル電波望遠鏡目指してレッツゴー!

守衛所で入構の手続きをして歩いて行くと、直径10メートルのミリ波干渉計のアンテナが出迎えてくれます。レールが縦横に走っていて、レールに沿ってアンテナ配置を変えながら観測してきたこのアンテナ群の性能を視力に換算すると、視力60に相当するそうです。残念ながら、すでに科学運用は終了しています。

遠くには太陽電波強度偏波(へんぱ)計群が見えます。これらのアンテナは50年以上太陽電波を観測しています。見学コースをさらに進むと、アンテナ直径45メートルの電波望遠鏡があります。これは野辺山のシンボルですね。写真撮影しようとしてもアンテナが入りきらない。とにかくデカい。

みなさん、小学生のとき50メートル走ってあったでしょ。全力で走って10秒くらいかかる距離ですね。僕なんて、30メートルくらい走ったら嫌になって帰りますけど。

4次元デジタル宇宙ビューワー 

展示室では、大変ユニークなエンジニアや研究者の方が解説してくださいます。模型を使ったアンテナの解説、「4次元デジタル宇宙ビューワー “Mitaka”(ミタカ)」を使って、地球から出発して、銀河系を飛び出し、銀河団の大規模構造をウォッチ。

また、太古の原始地球に天体が衝突した破片が集まって月が出来上がった「ジャイアント・インパクト」をシミュレートしたアニメーションを見せてくれました。非常にエキサイティングで、宇宙好きならば、大人も子供も楽しめます。

宇宙関係の仕事に憧れる小学生のユズノのために、「宇宙関係の仕事に就くにはどうすればよいのですか?」と聞いてみました。「何でも興味を持って勉強してね」とのこと。勉強に王道なしでございます。ユズノ、がんばれ。

野辺山旅行編はこれで完結。帰りもず~っと運転してくれたマサヒロ父さん、お疲れ様でした。そして、エンドレスに続くソメノとのしりとり勝負はまだ決着がつかない。(宇宙天気防災研究者)

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