【コラム・室生勝】前回(8月10日)、前々回(7月27日)取り上げた「もしバナゲーム」では、最後に各自が手元のカード5枚中、最も重要な3枚を選び、選んだ理由を話し、それぞれの考え方を学び合う。その中で、「家で最期を迎える」「信頼できる主治医がいる」を選んだ人が、主治医が病院医師なので往診してくれない、どうしたらいいのか、と参加者に相談した。みんなからは、主治医を、在宅医療してくれる診療所医師に替えるしかないと言われた。

家で看(み)取りをしてくれる診療所医師はどこにいるのか、いい主治医(かかりつけ医)を見つけるにはどうしたらよいのか、とサロンみんなの話し合いに進んだ。私は、つくば市医師会ホームページの「在宅医療・介護拠点のかかりつけ医Q&A」を紹介した。

かかりつけ医を選ぶ目安は、①いつでも親身に相談に乗ってくれる②病気や医療に関する情報をよく知っていて必要なときには専門医や医療機関を紹介できる③病気だけでなく暮らしについても理解してくれて頼りになる④必要なときは往診や訪問診療など在宅医療もしてくれる―などになる。

こういったかかりつけ医を探すには、「つくば市在宅医療と介護のサービスマップ」(在宅医療介護マップ)が参考になる。今年2月改訂された冊子には、新しく「在宅療養支援診療所(在支診)」が掲載されている。その基準としては、24時間連絡を受ける医師または看護職員がおり、24時間往診と訪問看護の体制があり、在宅療養患者の緊急入院を受入れ、看取りもする診療所と書いてある。

機能強化型在支診は、「単独型」はその診療所単独で常勤医師3名以上、過去1年間の緊急の往診実績5件以上、過去1年間の看取り実績2件以上―が要件で、「連携型」は複数の診療所が連携する場合になる。

役に立つ「在宅医療介護マップ」

「もしバナゲーム」の参加者の中に、すでに訪問看護サービス(主治医の指示書が必要)を利用している人が2人いた。それぞれ診療所医師と病院医師であり、両医師とも往診も訪問診療もしないし、看取りもしないことに、2人は「在宅医療介護マップ」を見て気づいた。

そこで私はその内容を説明した。往診しない在支診が2カ所、機能強化型在支診が6カ所中5カ所あった。往診しない在支診はあり得ない。往診を訪問診療と見なしているのではないか。急変あるいは重症化しやすい患者さんに、毎日電話で病状を聴き、依頼があれば訪問しているのだろう。

機能強化型在支診6カ所のうち2カ所は外来診療もしているが、4カ所は原則外来診療をしない在宅医療専門診療所であり、その範囲は隣接市町村にまで及ぶ。これでは緊急性がある往診には応じきれない。この4カ所は協議して市内の在宅医療を担当する範囲を決めれば、おたがい遠距離運転の負担が減るのではないか。

「在宅医療介護マップ」でもう1点気づいたのは、「看取りの対応」をしない在支診が25在支診中4カ所あった。看取りが在支診の設備基準であるのを忘れているのだろうか。看取りは臨終の短時間介護を意味するのでなく、死亡することが数時間~数日以内に予測される場合の臨終まで見守ることと思う。

臨終に立ち会う最期の看取りに対応できる在支診はほとんどない。訪問看護ステーションの協力を得ているのが現状であろう。サロンでは最期の看取りを家族ですることを勧めている。(高齢者サロン主宰)

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