【及川ひろみ】環境問題に興味を持ち、環境保全活動を実践するリーダーを養成するために、茨城県と茨城大学の共催で、6月29日~9月7日、「エコ・カレッジ」が行なわれています。地球、地域、生活空間の問題や対応策などについて、大学教員による講義と環境団体などのフィールドワークを通して、楽しく学び考えることを目的にしたものです。

今年の窓口は、茨大研究・社会連携部社会連携課が担当、受講生を101名受け入れました。座学は茨大地球変動適応化学研究機関のスタッフや教授らが講師を務め、循環型社会地域資源、生物多様性(なぜ生物は絶滅するのか)、再生可能エネルギー、河川湖沼流域の生活者として考える環境問題、気候変動影響と対策・緩和策、循環型社会地域資源(SDGs)―などについて学べます。

このほか、霞ケ浦に生息する生物群集の長期変化と理由、環境と災害、適応と防災、茨城県を対象とした環境保全のためのセンシング技術(低酸素社会環境経済)など、地域問題の講義も受けることができます。

カレッジの対象は県内に在住、通勤、通学している人です。締め切り前に、受け入れを打ち切らざるを得ないほど人気の企画になりました。高齢の参加者が多数を占めることになると、目的に反(そ)れるのではと危惧しましたが、高校生が4割を占め、リーダー養成の役割を果たすものになりました。

宍塚の会でフィールドワーク

宍塚の会もフィールドワークを受け入れることになり、①宍塚の生物多様性を求める活動について室内学習を行い、その後、大池の生態系を釣り・定置網で捕獲する生き物を通して学ぶ活動、②里山の森林保全を体験し、保全の方法、生物多様性を目指す森林の保全について学ぶ活動―を引き受けました。

大池での生態系観察には21人が参加、外来魚ブルーギルを釣り、解剖しました。以前行った室内学習では、ブルーギルの胃内容調査の結果、フナの稚魚(ちぎょ)、貝、さまざまな昆虫が見られました。1匹のヤゴの胃から5匹のトンボのヤゴが出てきたこともありました。今回の観察会では、こういった事例も紹介、胃の内容物を観察し、外来魚の影響を確認しました。(宍塚の自然と歴史の会代表)

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