《地域包括ケア》37 看取りの場としての「サ高住」

名古屋市南医療生活協同組合のサービス付き高齢者住宅

【コラム・室生勝】前々回のコラムで「2035年には団塊世代が80歳以上の死亡平均年齢となり、多死時代を迎える。つくば市でも看取りの場としての病院や施設は足りなくなり、在宅看取りが増えるであろう」と書いた。

看取りは臨終の短時間の介護を意味するのでなく、数時間~数日以内の死亡が予測される場合の臨終まで見守ることである。想定期間が長くなり、1カ月から数カ月に及ぶ場合もある。

1人暮らしや高齢者のみの世帯では、自宅での看取りは難しい。私は32年間の開業医時代に1人しか経験していない。多発性脳梗塞、軽度認知症でほとんど寝たきりの要介護「5」、70歳代後半の男性のケースだが、余命1カ月以内からヘルパーが毎日1回、医師と訪問看護師が交互に週3回、ケアマネージャーが週1~2回訪問、近所の人たちの見守りチームで自宅看取りをした。

最近は、介護型あるいは住宅型の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が看取りの場になりつつある。1人暮らしに限らず、高齢者のみの世帯や家族介護力が弱い世帯の高齢者が入居している。介護型老人ホームでは24時間の見守りがあるが、住宅型老人ホームやサ高住では夜間の見守りがない。

そこで、介護保険の訪問看護サービスの「24時間連絡体制加算」(24時間電話相談に応じる)か「24時間対応体制加算」(24時間必要に応じて訪問する)を利用すれば、夜間も安心である。要介護度が高い場合や認知症がある場合には、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用する方法がある。ヘルパーと看護師が連携し、24時間連絡体制で必要に応じて随時訪問してくれる。

急がれる「終の住処」対策

看取りをする医師と24時間対応体制の訪問看護サービスがあれば、住宅型老人ホームでもサ高住でも看取りは可能であるが、私が調べた限り、つくば市で看取りをする有料老人施設は、介護型が2カ所、住宅型が1カ所しかない。サ高住では6カ所が相談に応じるようだ。電話やFAXで確かめるとよい。

介護型有料老人ホームは、入居一時金が数100万~1000万円と高いが、住宅型有料老人ホームは100万円以下、サ高住は0~30万円である。入居一時金は、月々の「家賃(賃料)」の一部を先払いするもので、支払った一時金の金額だけ月額費用は安くなる。

月々の支払いは、特別養護老人ホーム(特養)のように安くはない。サ高住は有料老人ホームより安く、食費込みで月額12~16万円である。これに介護保険サービスの費用が加わる。要介護5で限度額まで使った場合、総計16~20万円(介護保険サービス料を1割負担として)となる。

つくば市のサ高住は現在10カ所ある。2カ所は50室だが、8か所は30室以下で計268室である。看取りをしてくれるサ高住は5カ所、計107室であるが、「応相談」とあり、病状によっては入居を断られたり、重症になったら退所しなければならない場合もある。特養に代わる看取りの場としては少ない。

つくば市長公約事業のロードマップNo.29に「待機高齢者ゼロに向けた地域密着型特別養護老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅の整備推進」とあり、つくば市は高齢者の終(つい)の住処対策を急がねばならない。モデルとして、柏市豊四季台の「24時間対応サービス提供拠点とサービス付き高齢者向け住宅」が参考になる。

次回コラムでは、名古屋市南医療生活協同組合のサ高住「よってって横丁」を紹介したい。(高齢者サロン主宰)

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