【コラム・坂本栄】前回のコラム(5月6日掲載)で扱った総合運動公園問題で、つくば市は早々と用地売却要項を修正しました。私が「おやっと思った」と疑念を呈した箇所でしたので、今回もこの問題を取り上げます。市にとっては単純なミスかも知れませんが、神(本質)は細部に宿ると言います。改めて、何か変だなと思った点を整理しておきます。

市は4月26日、前市長時代に頓挫(とんざ)した総合運動公園計画の用地について、「高エネ研南側未利用地事業提案募集」というタイトルの処分要領を公表しました。ところが、大型連休明けの5月10日、その肝(きも)とも言うべきところを「修正します」と言ってきたのです。

具体的には、「お受けできない提案」と断っていた3事業=①市に経費負担が発生する事業、②住宅系用途が含まれた事業、③大型の百貨店や総合スーパーなどの小売店が含まれた事業=について、「市と協議が必要な提案」に言い換えました。分かりやすく言えば、これらの事業も門前払いはしません、でも応接間に入れるかどうかは、ざっと話を聞いてから(否定的に)判断します、といったところでしょうか。

私は前回コラムで、戸建てやマンションなどの住宅団地(②のこと)、ショッピングモールの類い(③のこと)の提案は受け付けないということは、どこか誘致したい事業体があるのではないか、と指摘しました。どうやら、似たような疑問が市に寄せられ、表現を変えたようです。

何か奇妙な用地処分手続き

以上は市の迷走の経緯ですが、「お受けできない提案」でも「市との協議が必要な提案」でも、市のやり方には2つの問題があると思います。ひとつは、市の土地を買いたいと考えている事業体を絞ろうとしていることです。

5年前、市がUR(都市再生機構)から買った用地の値段は66億円でした。現市長は、土地は市で使わないと決めたわけですから、その負担を消すためにも、できるだけ高く売らなければなりません(①では追加負担はしないと言っています!)。それには多くの事業体に競わせた方がよいのに、あの業種は要協議、この業種も要協議と入札のハードルを高くしています。不思議なことです。

もうひとつは、歓迎しない業種を列挙しているのは、意中(本命)の事業体を誘導するテクニックではないかということです。この手続きには何か裏があるのでしょうか? なぜ住宅系と大型小売り系には乗り気でないのか、その理由が明示されていないのも不思議です。

総面積46ヘクタールの市有地の払い下げともなると、「どこが」「いくらで」「どうするのか」に、市民は注目しています。市は売却手続きの第1幕で、関心を刺激する話題を提供してくれました。(経済ジャーナリスト)

➡坂本栄の過去のコラムはこちら