《邑から日本を見る》39 東海第2の原電説明会に出席

飯野農夫也氏の版画「憩い」

【コラム・先﨑千尋】東海村の東海第2原発の再稼働を目指している日本原子力発電(以下原電)は、4月23日の東海村を皮切りに状況説明会を開いている。私は8日の那珂市での説明会に出席した。原電の説明会はこれまでに何度も開かれているが、東海第2の運転に必要な一連の審査に合格し、原電が再稼働を目指す方針を表明してからは初めて。

説明会は那珂市中央公民館で開かれ、約60人が参加した。原電が、8年前の東京電力福島第1原発事故の原因、教訓を踏まえ、東海第2原発の安全性向上対策を紹介し、その後約1時間、参加者からの質疑が行われた。

私は「原電は安全性を強調するが、原発の運転にはヒューマンエラーや想定外の事故が起こり得る。原子力規制庁は、東海第2は新規制基準に合格したということであって、100%安全を保証するものではない、と言っている。今回の説明でも、万が一の災害対策を講じると言っている。もし事故を起こしたら、誰が責任をとるのか。そもそも責任をとれるのか」と聞いた。

これに対し、原電側は「事故を起こしてはならないという決意で、責任を持って取り組んでいく」といった発言のあと、渋々と、責任は原電の社長にあることを認めた。先の原子力規制庁の説明会では、責任問題については回答を拒否していた。

「人間は原発をコントロールできない」

私の他に手を挙げる人が多くあり、最後は時間を理由に打ち切られてしまった。会場で出た質問、意見などから幾つかを紹介する。

▽原発はクリーンエネルギーだと言っているが、実際には発電量の3割しか利用できず、残 りは海に放出し、海水を温めている。地球温暖化の一因ではないか。

▽わが国はどこも地震の巣だ。地震は人間の力では封じ込められない。

▽福島の事故から8年経ったが、原発がなくとも電力不足にはなっていない。国も再生可能エネルギーにシフトしてきている。

▽原発は一番コストが安いと言っているが、事故処理や使用済み燃料の処理、廃炉などに莫大なカネがかかり、安くない。

▽人間は原発をコントロールできない。40年経過し、最も危険な東海第2を動かし、国民、住民に巨大なリスクを負わせることは承服できない。

▽安全対策の費用はどこから出るのか。主婦の感覚では、膨大な借金は返せないのではない かと心配だ。

▽事故を起こさないという精神論ではダメだ。原発の時代は終わった。最大の安全対策は、運転しない、再稼働させないことだ。

前に紹介した茨城大学の「地域社会と原子力に関するアンケート調査」では、地域住民の6~7割は「原子力規制委員会など専門家の判断は信頼できない」と考えていることが分かっている。今回の質問や意見を聞いていて、そのことが確認できた。テロ対策や避難計画など、この日は説明も質問も出なかった課題がまだ多く残されている。

原電は今後も説明会を、原発30キロ圏内の14市町村と小美玉市で開く予定でいる。(元瓜連町長)

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