【コラム・坂本栄】つくば市のスポーツ施設の指定管理者問題は面白い展開になりました。最初に市の選定会議が1位に選んだ業者(東京のスポーツ施設運営会社)を議会が否決、2位の業者(地元の清掃品販売・ビル管理会社)の繰り上げかと思っていたら、なんと1位と3位(地元のスポーツ生活支援NPO)が連携、管理者に選ばれたからです。

地元優先に固執する市議の裏をかき、非地元と地元が組んで、地元の看板で非地元が実質受注するという逆転劇。誰が考えたか知りませんが、大変ドラマチックな展開になりました。

議員の一人は「1位+3位」案について、箱(東京の会社)は最初と同じで、上紙(地元のNPO)を変えただけではないかと反対したそうです。でも、サービスの質と地元優先の条件を満たす、この妙案が通りました。それにしても、箱と上紙の例え、なかなか秀逸(しゅういつ)でした。

詳細は、本サイトの記事「【ウェルネスパーク問題】新たな指定管理者決まる 前回1位と3位が組みリベンジ」(2月18日掲載)、議会否決の記事(12月21日掲載)、再公募の記事(1月24日掲載)をご覧ください。一連の市と議会の動きをコメントした私のコラム(1月7日1月21日2月4日各掲載)もどうぞ。

私が疑問視したのは、地元企業優先は高くつくのではないか、それで管理サービスの質が保てるのか、地元保護は企業経営をヤワにする―の3点でした。そして、こんな入札をやっている市と議会を「村役場」と呼びましたが、今回の結果と気が利いた議員発言を聞き、「町役場」に昇格させます。市の地元優先スタンスは不変ですから、より上の格付け(レーティング)は見送ります。

公営プールの苦い思い出

スポーツ施設と言えば、私も民間のクラブに週2~3回通い、有酸素運動+筋肉トレーニング+ストレッチ(ときどきプール)に励んでいます。高齢者の体力維持(私もその1人)、奥様方の体形維持、キッズのスポーツ志向といったニーズもあり、今、スポーツ施設はブームです。競争も激しいようですが、利用者にとってサービス競争は大歓迎です。

記者という仕事柄、ストレス解消と体力維持のために、20代からスポーツ施設を利用してきました。最初は都営のプール、次は区営の体育館、そして民営のクラブです。これらにゴルフも加え(今は休止中。代わりに毎朝柴犬と1時間弱散歩)、体力を維持できました。

こういった施設利用で気になったことがあります。往々にして、公営は民営に比べ使い勝手やサービスがよくないということです。区営の施設は、プールは立派なのにロッカールームが貧弱とアンバランスでした。「1位+3位」業者のサービスがプレゼンテーション通りに実施されるか、監視していきましょう。(経済ジャーナリスト、NEWSつくば理事長)

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