《くずかごの唄》29 年賀状 猪突猛進 うんのつき


【コラム・奥井登美子】猪突猛進でがんばります。

い 生きていることに感謝

 のら猫に 餌をやって仲良しになり

し 瞬間 瞬間を 大切に楽しく

 しっかりと 生活したいと思います   きよし

 

 医薬品の奥深いメカニズム 少なくなった

 脳みそを ぬかみそみたいに かきまわし

 試行錯誤しながら 48年続けた自然保護と

 仕事の話をエッセイ集にまとめています   とみこ

 

今年の年賀状を書く前に、いのししの身体をどう料理するか、12年前の年賀状を取り出してみた。

大動脈解離から1年

いの ちを再びよみがえらせた

し  あわせをかみしめながら

シ  リウス 星を眺めています  奥井清

亭主の大動脈解離からもう13年も経ってしまったのだ。

運の尽きの良し悪し

13年前、彼は御茶ノ水の駅前で意識を失って、救急車で東京医科歯科大病院に運ばれた。土浦の自宅にいた私に、病院の救急医から電話で「呼吸が止まる可能性があるので、15分以内に家族が来てサインしてください」と言われた時のショックは忘れられない。空を飛んでいっても15分は無理だ。偶然、運よく弟が15分以内の自宅にいて駆けつけてくれた。

うん1 救急車が運んでくれた病院に、たまたま技術に優れた医者がいてくれたこと

うん2 15分以内の自宅に家族がいたこと

うん3 37㌢動脈の解離が内膜、外膜ではなくて、中膜だったこと

うん4 脳へ行く血管の1㌢下から解離が始まり、脳血管に影響がなかったこと

改めて病気を起こした時の運の尽きの良し悪しで、人生が分かれることを思い知らされ、治療に協力してくれた人たちに感謝の年明けとなった。(随筆家)