《法律かけこみ寺》1 架空請求詐欺 もっともらしいはがき

土浦市神龍寺(本文とは関係ありません)

【コラム・浦本弘海】「駆け出し落語家」と掛けまして「慌てる母親」と解きます。その心は。

あっ、本コラムを担当いたします浦本と申します。詳しい自己紹介は下記に載っておりますので、ご興味があればご一読ください。本コラムは、生活にちょっと役立つ(かもしれない)法律マメ知識を目指しております。皆さまの日常生活の一助となれば幸いです。

ところである日、母から慌てた声で「民事訴訟管理センターってところから、総合消費料金未納分訴訟最終通知書ってはがきが来てるけど、どうしよう!」という電話がかかってきました(実話)。

「それ、詐欺だから」と息子(これでも一応弁護士です)が説明しても、「でも訴訟番号とか書いてあるのよ!」と信じてくれません。恐るべし、民事訴訟管理センター。

民事訴訟管理センターという名称の公的機関は実際にはありません。架空請求詐欺です。国民生活センターや裁判所のサイトでも注意喚起がされています。くれぐれも記載された連絡先に電話しないでください(なんか、プリペイドカードとか買わされてID番号を聞かれたりするようですよ)。ちなみに類似名称の場合もありますのでご注意を。

手口は着実に進化 落ち着きが大事

以前はメールでこの手の架空請求詐欺が横行したことがありました。裁判所と法律事務所との文書のやりとりは、いまだにファクシミリが現役(主役?)だったりします。メールで連絡が来るとは、どれだけ革新的なことか…。

この民事訴訟管理センター、はがきで最初の連絡をしてくることが多いのですが、最近は封書のパターンもあります。はがきだと家族が見て警察などに相談したりしてしまうと考えたのかもしれません。それに、まともな公的機関が訴訟関連の重要な連絡をはがきでするはずもなく、詐欺としてもリアリティーに欠けますしね。

残念ながら詐欺の手口は着実に進化しています。身に覚えのない請求が来たときは、当たり前かもしれませんが、やはり落ち着くことがとても大事です。そんな詐欺引っ掛からないよと思っていても、当事者になると慌てるもの。どうか冷静に。ご家族やご友人などの意見を聞いたりネットで調べたりするのも非常に有効ですよ。

ところで最初のなぞかけ。「駆け出し落語家」と掛けまして「慌てる母親」と解きます。その心は…「落ちつけるまでが大変です」。

お後がよろしいようで。(弁護士)

【うらもと・ひろみ】ペンネーム。会社勤務を経て弁護士に。会社在職中に一念発起して法科大学院への進学を決意。苦節〇年、司法試験をなんとか突破(暗黒時代でした…)。企業勤務経験を活かし、現在は企業や自治体への法務コンサルタントを主に行っている。両親が土浦市出身なのでご縁があり、土浦・つくばを中心に活動中。東京都出身。