【コラム・霞ヶ浦市民協会】私は日本の製品、特に工業製品は世界でも優秀と考えていました。しかし、例えば海外の鉄道を利用した時にはいつも、日本の特化した優位性を感じることがありません。

白物家電など使用目的を絞った家電製品には、耐久性を含めまだ安心感があります。しかし、PC-98時代の特定ソフトを利用した専用PCから、グローバルなソフトを使えるWin95に変わった時の対応や携帯電話がスマホに変わり、電話だけでなくソフトを利用しての多用途製品になると、グローバルスタンダードの発想に遅れを感じます。

鉄道の話に戻ると、スピードや乗り心地は変わりませんが、料金やチケットの購入は海外の方が簡単かもしれません。しかし、定時運行の正確さは日本が世界で一番だと思います。

今後は、日本人の正確さと真面目な考え方を生かし、ひとつの技術に特化しながらも、用途を始めから限定せず、使用者が用途を広げられるような柔軟な発想の製品開発が必要と考えます。そして、日本がグローバルスタンダードになれる製品の開発ができる技術者の養成が必要と思います。

環境活動においても、同じようなことを競って行うのではなく、市民、企業、行政、研究者がそれぞれの専門性をもっと生かし、それぞれの得意分野で協力し合うことが必要と思います。

目的や目標を明確にし、いろいろな価値観や考え方を認め合い、活動をもっとゆったりと進めることで、世代を超えた新しい発想ができるようになると思います。それぞれの特性の組み合わせを生かし広げていくことに、無限の可能性を感じます。(霞ヶ浦市民協会専務理事 粟野哲雄)