金曜日, 12月 19, 2025
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夏休みは親子で科学! 研究所一般公開

【橋立多美】今日から楽しい夏休み。科学都市つくばは街全体が科学の博物館と言われ、夏休み期間中に研究所を一般公開して研究活動を紹介している。講座や子どもが参加できる体験型イベントなどの催しが企画され、親子で楽しく科学に親しむことができる。一般公開は入場無料。

【筑波宇宙センター】夏休み特別展示「宇宙(ひこうしの)服」が9月2日まで、プラネットキューブで開催されている。実際に宇宙飛行士が国際宇宙ステーションやカザフスタンの基地で着用した、船内服と船外活動服などが展示されている。また常設展示館「スペースドリーム」は同センターの歩みと取り組みが紹介されて人気が高い。▽開館時間午前10時~午後5時。つくば市千現2-1-1。電話029-868-5000。

【農業・食品産業技術総合研究機構】「実感!食と農のサイエンス」をテーマに、農業の研究に関するクイズやゲームなど小・中学生向けの企画や自由研究のヒントを提供する。また明治150年にちなんで蚕(カイコ)の解剖図など近代農業の歴史の特別展示も開催される。▽公開は7月28日(土)午前9時30分~午後4時(午後3時30分受付終了)。同市観音台3-1-1。電話029-838-8980。

【森林総合研究所】野生種クマノザクラ発見の講演会や森林浴の効果、木を発酵したアルコールなど最新の研究成果の紹介と、昆虫や鳥獣の標本庫見学など。木製バッジ作りなどのウッドクラフトとつみき遊びのコーナーもあり、自然と触れ合うイベントが盛りだくさん。▽公開は7月28日(土)午前9時30分~午後4時(午後3時30分受付終了)。同市松の里1。電話029-829-8372。

【国土地理院 地図と測量の科学館】地図や測量の新しい技術などを総合的に展示している。同館の夏休みイベントは次の通り。▽講演「山の高さはどう決まる?」+測量体験教室「分度器を使って高さを測る」。7月27日(金)午前10時~、午後1時10分~。定員各20人。▽「伊能忠敬になって日本を測ろう!」。8月8日(水)午前10時~、午後2時~。定員各18人。▽「GPSで地上絵を描こう」。午前10時~、午後2時~。定員各20人。同市北郷1。電話029-864-1872。

【高エネルギー加速器研究機構(KEK)】普段は公開されていない世界最強の加速器「スーパーKEKB」や大型測定器などを体感できる。研究者による解説やサイエンスカフェ、子ども対象のイベントもある。▽公開は9月2日(日)午前9~午後4時30分。同市大穂1-1。電話029-864-5113。

【国立公文書館つくば分館】今夏の企画展のテーマは「和歌の世界-親子で楽しむ百人一首のなぞ」。現代ではお正月のかるた大会でお馴染みの小倉百人一首だが、新春の風物詩になった理由は判明していない。成立事情や選歌の不思議に迫る。▽企画展は7月23日~8月31日まで。期間中、和綴じのメモ帳作りが無料で体験できる。開館は午前9時15分~午後5時、土日祝日は休館。同市上沢6-6。電話029-867-1910

※つくばサイエンスツアーバス 夏休み期間(7月21日~8月31日)の月曜を除く毎日、6つの研究機関を回る巡回バスが運行される。大人500円、小学生250円で乗車券を提示すれば1日乗り放題。詳しくはつくばサイエンスツアーオフィスまで。電話029-863-6868。

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技術の粋集めた「霧筑波」で最優秀賞 つくばの浦里酒造店

11月に行われた第96回関東信越国税局酒類鑑評会の吟醸酒の部で、つくば市吉沼の醸造元、浦里酒造店が最優秀賞を受賞した。浦里浩司社長(64)と、6代目蔵元杜氏の浦里知可良さん(34)、知可良さんの妻・恵子さん(32)が19日、つくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長を表敬訪問した。受賞したのは同社の「霧筑波」。また純米酒の部で同店の「浦里」が2位にあたる優秀賞を獲得した。 杜氏の知可良さんは「国税局の酒類鑑評会は、私たちにとって技術の粋を集めたF1レースのようなもの。コストや手間を度外視し、蔵が持っている最高の技術と最高の素材を結集して作った最高の1本で勝負する。関東信越国税局の鑑評会はさらに、全国に12ある国税局鑑評会の中で最も規模が大きい。そこで第1位を受賞できたことは本当にうれしい。目標は高く、連覇を目指したい」と思いを語った。 同鑑評会は、管内の茨城、栃木、群馬、埼玉、長野、新潟の各県にある製造場を対象に日本酒の出来栄えを審査する。60回目を迎えた今回は、173の製造場から吟醸酒の部に121点、純米吟醸酒の部に150点、純米酒の部に79点が出品された。 浦里酒造店は、1877年に現在の吉沼で創業。知可良さんは2021年に南部杜氏自醸清酒鑑評会で主席を獲得、23年には全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど、全国的に高い評価を得てきた。こだわりの酵母は、牛久市出身の画家・小川芋銭の三男で国税庁職員だった小川知可良が開発した「小川酵母」を使用する。 浦里知可良さんは、「(最優秀賞を受賞した『霧筑波』は)非常に華やかな香りとお米由来の甘み、それでいてしっかりとしたキレがあるという三拍子そろったバランスの良さが高い評価につながった。表彰式が11月13日、茨城県民の日だった。この日に県民の皆さまに報告できたのは本当にうれしかった」と話した。浩司社長は「酒造りは『ここで終わり』というものがない。毎年が勝負なので、これからも高みを目指したい」と語った。 表敬を受けた五十嵐市長は「受賞は大変誇らしいこと。つくば市では『つくばのおさけ推進協議会』が立ち上がり、地元のお酒を広げていこうと取り組んでいる。皆さんの今後の活躍を全力で応援していきたい」と述べた。(柴田大輔)

5選手がJリーグへ 筑波大蹴球部

筑波大学蹴球部からJリーグへ羽ばたく5選手の合同記者会見が19日、つくば市天王台の同大大学会館で開かれた。5人のうち3人は大学サッカーを1年前倒しで退部し、すでにプロ選手として活動を始めている。残る2人は蹴球部の主力として今季の関東大学サッカーリーグ1部優勝に貢献し、現在も全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)で優勝を目指して激闘中だ。 5人それぞれ意気込み サイドバックの安藤寿岐は1月に退部しJ2サガン鳥栖へ加入。「けがで思い描いたシーズンとは違ってしまったが、鳥栖の顔になり、自分を見にお客さんが来てくれるような選手になりたい」と来季の巻き返しを誓った。 センターバック兼ボランチの加藤玄は今季J1名古屋グランパスで公式戦10試合に出場。「(途中出場が多く)出場時間を伸ばせなかった。来季こそ自分の価値を証明したい」と決意を見せた。 ゴールキーパーの佐藤瑠星はJ1浦和レッズに加入が内定。昨年の天皇杯筑波大ー町田ゼルビア戦ではPKセーブで勝利をたぐり寄せる活躍をした。「レッズには西川周作さんら優れたGKがいる。全員から学べることを吸収しスタメンを勝ち取りたい」と語った。 センターバックの諏訪間幸成は今季J1横浜Fマリノスで14試合に出場。「プロは小さい頃からの夢。目の前にチャンスがあるなら行くべきだと思った。フィジカルの強さや判断スピードなどを鍛え、勝利に貢献できる選手になりたい」と話す。 サイドハーフの山崎太新はJ2大分トリニータに加入内定。今季は主将を務めチームの精神的支柱になった。現在はインカレ予選リーグを突破し、21日に準々決勝の大阪体育大学戦を控える。「チームの目標である日本一を何としても勝ち取りたい。個人としては得点やアシストなど、目に見える結果でチームを勝たせる活躍をしたい」と述べた。 早期退部が新たな刺激に 近年、大学サッカーを途中で切り上げてプロ入りする例は増加傾向にあるが、一度に3人が出るのは筑波大でも初めて。さらに7月にはエース内野航太郎がチームを離脱し、デンマーク1部のブレンビーに加入した。これも快挙ではあるが、チームとしてはさらに苦しい状況に追いつめられた。「実力ある選手たちに頼れず、チーム運営としてもぎりぎりで、最初は不安しかなかった」と小井土正亮監督は明かす。だが残った選手たちには、4つのイスが空く新しいチャンスに映った。 「ポジションを得た選手たちが予想以上にたくましく成長してくれた。サイクルを1年でも早く回していくのが、みんなにとって良いことだと感じた」と小井土監督。、早期退部についても「次のキャリアに進むチャンスがあるなら応援してあげたいし、選手としての成長を妨げられない。大学の価値を上げることにもつながる」と、ポジティブにとらえる。 ダブル優勝で集大成を 関東リーグで2年ぶり17回目の栄冠に輝いた筑波大が、今季の集大成として次に狙うのは9年ぶり6度目のインカレ優勝だ。「筑波大がインカレと関東リーグの2つのタイトルを同時取得するのは、実現すれば1980年以来45年ぶり。それくらい難しいことに取り組める権利が今年はある。また新しい扉を開けるよう、あと3つを勝ち抜いていきたい」と小井土監督。 「本当に難しい挑戦であることは理解しているが、成功につなげられる自信と強さが今のチームにはある。それを結果で証明し、歴史に名を刻みたい」と山崎主将は気勢を上げる。(池田充雄)

日本ハムに1位指名の大川投手 母校・常総学院に凱旋

今年度のプロ野球ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズに1位指名された大川慈英投手(22歳、明治大学4年)が18日、母校の常総学院高校(土浦市中村西根)で開かれた凱旋歓迎会に出席、「こういう形で戻って来られてうれしい。ここまで来れたのはチームメートや指導者などいろんな方々のおかげ。しっかり結果を出して恩返ししたい」と話し、野球部の後輩に対しては「大事なことは甲子園。優勝して島田直也監督を日本一の男にしてほしい」と発破をかけた。 凱旋歓迎会で同学園の大久保政行理事長は「入団契約は大川君の努力と才能が生んだ結果。ご両親や家族、応援してくれた皆さんらに感謝を忘れず、厳しいプロの世界で活躍し、後輩やわれわれに夢と希望を与えてくれる選手になってほしい」と述べた。 続いて中学校高校生徒会が花束を贈呈。高校生徒会長の中島サラ萌奈さん(2年)は、「自分たちの学校からこのような素晴らしい先輩が出たのはすごいこと。これからも大変なことはいっぱいあると思うが、私たちが応援しているので頑張ってほしい」と思いを述べた。 大川選手と生徒会メンバーは一問一答のインタビューやサイン会で交流。その後、後輩の野球部員と記念撮影し、またグラウンドでも交流した。 大川選手は神奈川県出身。2019年に常総学院高に入学し、野球部では20年秋から公式戦に出場。同年秋の関東大会で準優勝し、21年春の甲子園選抜大会に出場。初戦の敦賀気比戦では8回から登板し、延長13回まで6イニングを投げ、被安打4、4奪三振、自責点0で勝利投手となった。 明治大では最速155キロのストレートを武器とする救援投手として活躍。日本ハムの新庄剛志監督らにも、そのストレートのクオリティが評価された。 「球筋は高校生のときから並外れていた。低めで全部勝負できる制球力があり、球速も当時145キロ出ていて、そこから大学でしっかり10キロアップした。でもプロは球速だけじゃない。制球力に磨きをかけ、場面場面を考えた投球でチーム内で信頼を勝ち取ってくれれば」と島田監督の評。 2020年から常総学院高で采配を振るう島田監督は、大川選手について「自分が監督になって初めての教え子。その彼がプロになったのは感慨深い」と感想を述べ、また彼が、奇しくも自身と同じ日本ハムでプロのキャリアをスタートすることに関しては「自分のときよりレベルも上がっているし、いい投手が回りにたくさんいる。ここからは勝ち取っていかないと。彼ならできる」とエールを送った。(池田充雄)

留学生の授業料値上げへ 筑波大 27年度入学から

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)は18日の定例会見で、留学生の授業料を2027年度入学から値上げすると発表した。国立大学は日本人学生か留学生かで授業料に差はなかった。差を付けるのは同大で初めて。国内では東北大学などが留学生の授業料値上げを発表している。 筑波大の値上げ額は大学生、大学院生いずれも年間7万3000円で14%の引き上げとなる。同大の授業料は大学生、大学院生いずれも同額の年間53万5800円で、文科省が定める標準額と同じ。値上げ後の留学生の授業料は60万8800円になる。研究生や科目履修生などの値上げ額は3万6000円。2026年度までに入学した留学生の授業料は現行のまま。 一方、今回の値上げ額は現段階で、留学生の教育・生活環境の充実に必要な最低限の金額だとし、今後も留学生数や物価動向など状況に応じて見直しを行うとする。 留学生を より受け入れるため 値上げの目的について同大は、優秀な留学生の獲得競争が世界的に激化する中、留学生の教育・生活環境をさらに充実させて、優秀な留学生を確保するための値上げだと強調する。 値上げによる増収分はすべて、留学生の教育・生活環境をさらに充実させるために充当し、①各種支援体制の充実②多様な留学生に対応した教育・相談体制の充実③個々の進路に応じたキャリア支援体制拡充④英語コースの拡充ーなどに充てるとする。 同大の留学生数は約2500人。毎年800人程度の留学生が入学し、値上げ初年度の27年度の増収は約5840万円になる。留学生全員の授業料が引き上げられた場合の増収は約1億8250万円。 国立大の授業料は文科省の省令に基づき、標準額の2割増しまでが上限と定められている。一方留学生の授業料については、国の教育未来創造会議の提言を受けて、文科省が2024年4月の省令改正で上限を撤廃した。筑波大では1年近く前から留学生の授業料について議論を重ねてきたという。 永田学長は「かなり検討を重ねて、学習環境の充実のための積算をして、丁寧に説明をしながら学内のコンセンサスをとって今日に至っている」とし「留学生が増加するという前提でやっている。それなりの受益を受けている方々なのでご理解いただきたい」と述べ、加藤光保プロボストは「留学生を、より受け入れる方向で考えている。留学生に特化した学習環境の改善のために行う」としている。(鈴木宏子)