木曜日, 10月 16, 2025
ホームスポーツ【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】2 本格派2年右腕が復帰 春4強の霞ケ浦

【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】2 本格派2年右腕が復帰 春4強の霞ケ浦

【伊達康】霞ケ浦は昨秋県準優勝で関東大会1勝、今春は県準決勝で常総学院に敗れ第3シードとなった。12日に行われる2回戦から、奇しくも場所はJ:COMスタジアム土浦でライバル常総学院の試合終了後に鬼怒商と玉造工の勝者と初戦を迎える。

霞ケ浦の屋台骨を支えるのは、1年春からスタメン出場を果たしチームを牽引し続けるセカンドの小儀純也(3年)とキャッチャーの鈴木和樹(3年)だ。

小儀はセカンドの名手として県トップの実力を持つ。ゴロへの入り方が秀逸で型にはまらない独特の捕球ポイントを持っている。大学生レベルの守備は必見だ。さらに打っては身長170㎝に満たない小柄ながらミート力が抜群で高打率をマークしている。特筆すべきは試合中盤に発揮する勝負強さだ。秋の準決勝・日立一戦では0対1でリードされた6回裏・二死一塁から同点に追いつくタイムリーツーベースを、春の水城戦では1対1で迎えた5回裏・二死二、三塁から、勝ち越し2点タイムリースリーベースを放つなど、もつれる場面で頼りになる活躍を見せている。

鈴木和樹は下級生ながら根本薫(オリックス)や遠藤敦志(広島)などプロ入りを果たした先輩投手の女房役を務め実戦経験が豊富。卓越したキャッチングとインサイドワークに優れた好捕手だ。巧みなワンバウンド処理でフォークやチェンジアップなどの縦系変化球を決め球とする霞ケ浦投手陣の力を存分に引き出し、主将としてもチームを牽引する。

また、横田祥平(3年)を打撃陣のキーマンとして挙げたい。昨秋は背番号2桁で下位打線を打っていたが要所で見事な活躍を見せ、今春は背番号5を獲得して打線の中軸を担うようになった。春の準々決勝・土浦日大戦では6回に貴重な勝ち越しタイムリーを放ち勝利に貢献した。

投手陣は右腕の福浦太陽(2年)と春季大会以降に怪我から復帰した鈴木寛人(2年)、さらに海野京士郎(3年)など、いずれも右腕で最速140㎞を超える力のある投手がそろう。

福浦は春季大会で背番号1を付けて4強入りの原動力となった。最速139㎞のストレートとフォークで打者を手玉に取る。

昨秋の関東大会で鮮烈な公式戦デビュー登板を果たした鈴木寛人は長身で手足が長く高卒即プロ向きの潜在能力の高い好投手だ。怪我の影響で春は登板を回避したが、6月17日に行われた明豊(大分)との強化試合では先発を任され最速141㎞を記録。まだスタミナ面で不安を残すもののエース級投手の復活は夏に向けて弾みとなる。来年のドラフト候補としても注目の逸材だ。

反対に海野はずんぐりな筋肉質の体型だ。投手陣の中で唯一の3年生として捕手の鈴木和樹との相性もよく器用にストライクを出し入れできる。最速142㎞の剛球投手でありながら打撃力も高いので、打力を生かした野手起用もある。

そのほかに技巧派左腕の中田勇輝(2年)も控えている。

投打でチームを牽引する小儀純也

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

茨城ロボッツ敗れる 開幕1勝4敗に 

男子バスケットボールBリーグ1部(B1)2025-26シーズンが10月3日開幕し、茨城ロボッツ(本拠地:水戸市、ホームタウン:水戸市・つくば市)は開幕5戦目となる15日、日立市東成沢町の池の川さくらアリーナでサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)と対戦、82—84で敗れ、1勝4敗となった。 ロボッツは昨シーズン、15勝45敗と低迷し東地区7位に終わった。今シーズンは30勝を目標に掲げるが、4日の開幕戦はアウェーで仙台89ERSに連敗。ホーム開幕戦となった11日は延長戦の末に群馬クレインサンダーを破りホームで初勝利を上げた。しかし翌12日は敗れ、ここまで1勝3敗でSR渋谷戦に臨んだ。会場には平日にもかかわらず満員の3157人のファンが熱い声援を送った。  2025−2026 B1リーグ戦 (10月15日、日立市池の川さくらアリーナ)茨城ロボッツ 82ー84  サンロッカーズ渋谷 茨城 23  16  21  22    = 82渋谷 20  18  18  28    = 84 ロボッツは序盤から終始リードを奪いながらも終盤に逆転を許し、悔しい敗戦となった。第1クオーターは中村功平のシュートで得点するとその後は一進一退の攻防が続いた。昨年までSR渋谷に2シーズン在籍し今季からロボッツに移籍したつくば市出身の小島元基が、古巣を相手に終了間際にシュートを決め、第1クオーターは渋谷にリードを許さなかった。 第2クオーターは直後に逆転を許すが、タイラー・クックのダンクシュートに、ロバート・フランクスと駒沢颯が3ポイントシュートを決め、前半を39ー38と1点リードで折り返す。フランクスは「自分の強みを見せられたので、今後も自分の強みを継続して見せられるようにステップアップしていきたい」と話した。 後半もロボッツは、フランクスを中心に得点を重ね、最大10点のリードを広げる。だが徐々にSR渋谷の反撃に遭い逆転を許すと、残り5秒を切ったところでクックのシュートが決まり同点とする。しかし直後に勝ち越しを許し、敗れた。 チーム最多の29得点を挙げMIPを獲得したフランクスは「最後の方に自分たちにミスが多く出てしまった。チームとしてしっかり戦えたのはいいことなので、ポジティブに考えてやっていきたい。次のアルバルク東京は強いチームだが、そういうチームに対しても戦えるということを証明できていると思うので、自信を持って、チームとしてしっかり準備をしていけば勝てると思う」と次の試合に意欲を見せた。 クリス・ホルム ヘッドコーチは「今日の負けは痛かった。全体的なプレーは良かっと思うが、SR渋谷が何かをして勝ったというよりも、集中力が欠けてしまったり、シュートを打てるときに打てなくてチャンスを自分たちでつぶしてしまったことが40分間通して積み重なってしまったのが自分たちの課題」と悔しがった。次節は18日、19日アウェーでアルバルク東京と対戦する。(高橋浩一)

廃校をサイクリスト拠点やレストランに 旧斗利出小 土浦市が地元企業に売却へ

小中一貫の新治学園義務教育学校(同市藤沢)が開校したのに伴って2018年3月末で廃校となった同市高岡、旧斗利出(とりで)小学校跡地(約1.3ヘクタール)の利活用について、土浦市は15日、公募型プロポーザルを実施した結果、サイクリスト向け拠点やレストラン、マルシェ、子供たちの遊び場などとして利活用すると提案した地元の太陽光発電設備販売会社、アクセスシャイン(同市中)が最も優れた提案をしたとして優先交渉権者に決定したと発表した。今後、提案内容をもとに基本協定を締結し、合意すれば同社に用地と建物を売却する。 同社の提案内容は、同小跡地は、サイクリングロード「つくば霞ケ浦りんりんロード」に近く、つくば市春風台から桜川に架かるさくら大橋を通って国道125号につながる、土浦とつくばを結ぶ県道藤沢荒川沖線に近いなどの立地にあることから、立地条件を生かし、①2階建ての校舎をコミュニケーションゾーンとして常時、地元企業が出店したり、レストランを開いたり、地域交流スペースとして活用する②体育館をサイクリストゾーンとして常時、サイクリスト向け拠点とするほか、災害時は地域住民の一時避難所として活用する③校庭はイベント広場として、休日にキッチンカーなどによるマルシェを開いたり、イベント開催時以外は子どもの遊び場として利活用するーなど。 同小の跡地利活用について同市は、5月30日に公募を開始し、市内外の3事業者から応募があった。プレゼンテーションとヒアリングを実施し、市のプロポーザル選定委員会が参加事業者の資質、事業内容、購入価格などについて審査した結果、アクセスシャインが優先交渉権者に決定した。 校舎は改修が必要で、体育館は耐震基準を満たしていないなどから、市は、今後必要になる校舎の改修費用や体育館の耐震補強費用などを差し引いて、最低売却価格を578万円として提示していた。公募でいくらの提示があったかは非公表としている。 今後については、11月ごろまでに利活用の提案内容について市と同社とで基本協定を締結し、年内に住民説明会を開催。さらに同小は市街化調整区域であることなどから、県の開発審査会の承認が必要となるほか、開発許可などの法令手続きに1~2年かかる見通しで、改修工事着手はその後になる。 新治学園義務教育学校の開校に伴って、新治地区では斗利出小のほか、藤沢小、山ノ荘小の3校が廃校となった。旧藤沢小は現在、体育館が地域の避難所となっているほか、日ごろ地域のスポーツクラブなどに利用されている。旧山ノ荘小は日立建機ICTデモサイトとして、情報通信技術を用いた建設機械のデモンストレーションや体験をする場に利用されており、旧斗利出小だけが利活用方法が決まってなかった。(鈴木宏子)

油彩画、水墨画など70点 筑波銀行退職者の会が美術展 つくば本部ギャラリー

筑波銀行の退職者でつくる筑波嶺会の土浦支部美術展が15日、つくば市竹園の筑波銀行つくば本部ビル2階ギャラリーで始まった。昨年、会の名称を筑波銀行OB会から筑波嶺会に変更して2回目の開催となる。同会に所属する22人が、退職後に制作した油彩画、水墨画、写真、書、彫刻、陶芸など約70点を展示している。 小松崎綾子(78)さんは、押し花絵「竹林」など3点を展示。バラ、銀ポプラ、落ち葉、タブの新芽、木の皮、ケイトウなどを素材にして、絵の具を用いず仕上げた。「16年前から習い始めた。根気のいる作業で一つの作品を作るのに2、3カ月かかる。最初、形がないものがだんだん仕上がっていくのは感動もの。とても達成感がある」と話す。 堀越喜代子(78)さんは、鉛筆画「花明かり」など3点を展示。2Hから10Bの鉛筆を使い、ていねいに仕上げていく。作品は人物を描く。15年ほど前に習い始めて2018年には個展も開いた。「描くには手間がかかる、遠くから眺め確認する作業も必要。しかし完成すると充実感がいっぱいになる。人物によって筆が進むときと進まない時がある。また何か乗り移ったように筆が進むことがあるから不思議」だと語る。  今年は2024年9月に亡くなった会員、安斉克一さんの追悼展を加え、安西さんが生前に制作した油絵8点を展示している。 同銀行は2010年に関東つくば銀行と茨城銀行が合併し誕生した。筑波嶺会は水戸支部、下妻支部、土浦支部の3支部があり、今回、土浦支部が主催した。会員は60代後半から70代後半が中心。定年延長という時代でもあり、リタイアした後にすぐに会員になることは近年少なくなったという。 筑波嶺会会長の徳宿彰さんは「銀行の中でもこうした芸術関連のOB会があるのは珍しい。みんな同窓会のように楽しみにしている」と話す。(榎田智司)

旧日本軍の二つの飛行場から「戦争とつくば」考える 戦後80年企画展

2カ所で巡回 戦後80年を迎え戦争の記憶が徐々に失われつつある中、アジア・太平洋戦争中につくば市にあった旧日本軍の二つの飛行場から、戦争とつくばの関わりを考える巡回企画展「戦争とつくば」が同市小田、小田城跡歴史ひろば案内所で開かれている。併せて原始・古代から近代までの戦争と地域の人々との関わりを発掘出土品や古文書などの資料から振り返る。写真や地図、出土品などの資料約100点が展示され、初公開の資料もある。 二つの飛行場は、市南部にあった谷田部海軍航空隊と、北部にあった西筑波陸軍飛行場。 隊員らのスナップ写真を初公開 谷田部海軍航空隊 谷田部海軍航空隊は、現在の同市上横場、観音台、高野台にまたがってあった。1938(昭和13)年12月、阿見町にあった霞ケ浦海軍航空隊の谷田部分遣隊が設置され、翌39(昭和14)年12月に谷田部海軍航空隊として独立し、「赤とんぼ」と呼ばれた練習機の訓練などが行われた。現在、筑波学園病院がある上横場には、木造2階建ての本部や宿舎などの建物があり、農研機構の各研究所がある観音台は、縦横1.8キロ×1.3キロの芝生の滑走路があった。滑走路の南東の高野台には、敵襲から飛行機を隠す掩体壕(えんたいごう)が多数設置されていた。市の調査で3基の掩体壕跡が残っていることが確認され、写真と地図で紹介されている。 戦局が悪化した1944(昭和19)年11月以降は、神之池海軍航空隊(現在の鹿嶋市)の実戦部隊が谷田部に移設され、谷田部にあった練習機部隊は神町基地(現在の山形県東根市)に移設。神之池から零戦などがやってきて、実用機で訓練する実用機教程が行われた。1945(昭和20)年2月、米軍が群馬県の軍用機生産工場、中島飛行機工場や、霞ケ浦海軍航空隊があった阿見・土浦方面を攻撃した際は、谷田部から迎撃に向かい計4人が死亡した。その後は実用機訓練から特攻隊訓練に切り替わり、神風特攻隊「昭和隊」が編成され、同年4月7日以降は隊員らが次々に鹿児島県の鹿屋海軍航空基地に向かった。昭和隊は第7次まで編成され、54人いた隊員のうち40人が死亡した。 企画展では、カメラが趣味だった当時の隊員(故人)が撮影した隊員らのスナップ写真や、昭和隊が鹿屋に向けて出撃する1945年4月7日、水杯を酌み交わす隊員らの様子など、当時の貴重な写真を展示している。写真を撮影したのは、企画展を主催する市文化財課職員、久保田昌子さん(33)の祖父が撮影したもので、初めて一般に公開された。ほかに2006年、地元のつくば工科高校(現在つくばサイエンス高)の生徒が、宮城県白石市を訪ね、当時の昭和隊隊員にインタビューした貴重な証言を記録したビデオを会場で上映している。 竹内浩三の「筑波日記」を紹介 西筑波陸軍飛行場 西筑波陸軍飛行場は当時の作岡村、吉沼村にまたがる約300ヘクタールの広大な敷地で、地元の勤労奉仕による工事で1940(昭和15)年7月、陸軍航空士官学校西筑波文教所として開設された。指令室などの建物のほか、鉄骨造の格納庫が3棟、木造の格納庫が6棟あり、谷田部と異なりコンクリートで舗装された滑走路があった。士官学校として利用されたのは2年程度で、その後は落下傘やグライダーを用いて敵地前方に進む挺身部隊の訓練地となった。1943(昭和18)年11月には滑空歩兵部隊と滑空機操縦部隊のグライダー部隊となった。 企画展では、当時西筑波の隊員だった三重県出身の詩人、竹内浩三(1921-45)が遺した「筑波日記」を紹介し、小田城跡で訓練をしたり、作岡で掩体壕を掘ったり、吉沼にたびたび出掛けて外食を楽しんだり、銭湯や書店に足しげく通ったりなどの一節をパネルで展示している。ほかに中菅間の個人宅で保管されていた西筑波飛行場で使われていたと伝わる灰皿などを展示している。 近代以前の展示では、つくば市内で確認できる最古の武器として、古墳時代前期の4世紀後半ごろ出土した鉄剣などが紹介。戦国時代、落城と奪還が繰り返された小田城の堀跡から発掘された、2カ所に刀傷とみられる鋭利な外傷がある中年女性の頭蓋骨が初公開されている。 市文化財課は「アジア・太平洋戦争で大きな空襲を受けなかったつくばが戦争について大きく取り上げられる機会は多くなかったが、戦争と無関係でいたわけではなく、戦争の痕跡は身近なところに残されており、戦争の悲惨さと平和の大切さについて考える機会になれば」としている。(鈴木宏子) ◆巡回企画展「戦争とつくば」は10月4日(土)~来年2月8日(日)まで市内2カ所で開催される。①10月4日(土)~12月7日(日)は同市小田2532-2、小田城跡歴史ひろば案内所で、②12月18日(木)~2025年2月8日(日)は同市谷田部4774-18、谷田部郷土資料館で開催。入場無料。開館時間はいずれも午前9時~午後4時30分、月曜など休館(祝日の場合は翌日)。▽会期中、二つの旧日本軍飛行場跡をバスと徒歩でめぐり、地割や地形に残る痕跡を見学する体験講座「飛行場の痕跡をめぐる」を11月29日(土)午前10時~午後3時に開催する。定員20人。事前申込必要。申し込みはこちら。▽ほかに、筑波大名誉教授の伊藤純郎さんによる講演会「谷田部海軍航空隊と民衆—本土防衛、特攻隊に対するまなざし」を12月6日(土)午後2~4時、市役所コミュニティ棟1階で開催する。定員約100人。当日受付。