【鈴木宏子】つくば市は14日、同市竹園、市立竹園西小学校プールで13日午後2時ごろ、FRP(繊維強化プラスチック)製の底面がはがれ、破片で小学3年の男子児童1人が足の裏を8針縫うけがをし、10人が足の裏などに擦り傷を負ったと発表した。
市教育局教育施設課によると、5月28日、プールの底面がはく離していると同校から市に連絡があった。現場を確認したところ、三角形の形状で、長いもので一辺70㎝ほどの大きさで底面がはがれていた。他にも、はがれそうな箇所が2カ所あった。市は3カ所について同日、はがれた部分は取り除くなどし、防水テープを張って修繕した。
さらに6月12日、防水テープの上に塩化ビニール製のプール専用マットを約3m四方敷き、翌13日午後、3年生が授業でプール使用を開始した。
使用開始早々、修繕箇所1カ所のマットがずれ、はがれたFRPの断面で児童が足の裏などにけがを負った。8針縫った児童は翌14日、サンダルで登校し入院などはないという。すり傷を負った10人は通院治療などはしていないという。
市は現在、同小のプール使用を禁止し、原因を調べている。プール専用マットは、底面に密着し、ずれないとされていた製品だったことからメーカーにも話を聞いている。
同小では今年夏、代わりの施設を探しプールの授業を行うことになるという。
市は他の小中学校に対しても安全点検をするよう指示した。さらに今後プールを使用する場合は、全校で目視による安全確認を行った上で児童・生徒をプールに入れるよう徹底するとしている。
同小プールは1990年3月に完成した。市教育局によると市内の小中学校プールで底面がはがれる事故が発生したのは初めて。
門脇厚司教育長は「児童、保護者の皆様に多大なるご迷惑をお掛けしお詫びします。竹園西小プールは底面の全面的な改修を検討し、市内の全小中学校に対して安全確認を行うよう指導します」とのコメントを発表した。