【谷島英里子】「時の記念日」の10日、土浦市中央一丁目の亀城公園内の土浦城址櫓門(やぐらもん)=県文化財=で、江戸時代に太鼓を打って時刻を知らせた「刻(とき)の太鼓」が打ち鳴らされた。12日まで朝夕2回打ち鳴らす。
時の記念日は、671年に天智天皇が水時計を置いて、日本で初めて時刻制度を取り入れたとされる日。
土浦の刻の太鼓は、市制60周年の2000年に復活し、07年から有志の「刻の太鼓保存会」(須田義之会長)が伝承した。櫓門は太鼓櫓とも呼ばれている。
午前6時と午後6時に櫓の上で、はっぴを身につけた同会メンバーが、「土浦に伝わることわざに 土浦に過ぎたるものが二つある 刻の太鼓と関の鉄炮というのである」と口上した後、時を知らせる太鼓を約20分間打ち鳴らした。太鼓は1770年に制作されたもので市文化財に指定されている。
保存会副会長の前田祐一さん(57)は「刻の太鼓の場となる櫓門と太鼓がどちらも文化財に指定されているのは珍しいと思うので、この伝統を継承して長く続けていきたい」と話した。