つくば市で18日発生した突風について、水戸地方気象台は29日、現地調査の結果、プレハブ2階建て事務所兼倉庫が倒壊した同市花室から上広岡で発生した突風は竜巻と認められると発表した。一方、解体作業中の国家公務員住宅の足場の倒壊があった天久保から吾妻にかけて発生した突風の種類は特定に至らなかったとした。
花室から上広岡にかけては18日午後2時53分ごろ、屋根瓦が飛散したり、コンテナが横転するなどした。同気象台によると、突風発生時に活発な積乱雲が付近を通過中で、被害や痕跡は帯状に分布、突風は1分間程度だったという。竜巻の強さは1秒当たり風速45メートルと推定され、0~5まで6段階で強さを評価する「日本版改良藤田スケール」で弱い方から2番目のJEF1該当するという。
一方、気象研究所は、最新型の気象レーダーを用いて調査を行った結果、花室から上広岡にかけて、ガスフロントに伴う複数の竜巻が発生していたことが分かったと発表した。ガストフロントは積乱雲の下で形成された冷たく重い空気の塊が、重みによって、温かく軽い空気の側に流れ出すことによって発生する空気の流れ。今回のような現象を気象レーダーによって至近距離からとらえたことは極めて珍しく、同研究所は現象のメカニズム解明を進めるとしている。
天久保から吾妻にかけての突風は午後3時ごろ発生し、解体中の国家公務員住宅の仮設足場の壁つなぎ財が破断するなどの被害が発生した。突風について水戸気象台は、被害や痕跡、聞き取り調査から、被害をもたらした現象を推定できる情報が得られなかったとした。足場の壁つなぎ材の破断から、突風の強さは1秒当たり風速35メートルと推定され、「日本版改良藤田スケール」で最も弱いJEF0に該当するという。