金曜日, 1月 9, 2026
ホームつくば再生した古民家をお披露目【筑波山麓秋祭り】上

再生した古民家をお披露目【筑波山麓秋祭り】上

つくば市の筑波山麓や宝篋山周辺など筑波、田井、北条、平沢、小田の5地区で秋祭り「筑波山麓秋祭り」が26日始まり、後半3連休の11月2~4日は体験ツアーやコンサート、特産品農産物販売などさまざまなイベントが催される。5地区の26団体が、それぞれの特徴を生かし、秋の山麓をにぎやかにする。秋祭りの見どころの一部を上下2回に分けて紹介する。1回目は、新たに山麓や中腹の古民家が姿を変え、新しい持ち主によって生まれ変わった場所を案内する。

大学生が風呂を建築し公開 旧小林邸ひととき

筑波山の中腹「旧小林邸ひととき」(つくば市筑波)では、法政大学デザイン工学部建築学科、赤松佳珠子教授率いる赤松研究室の学生が、風呂「ゆりやら」の完成を記念して11月2日と3日に見学会を実施する。邸内のコワーキングスペースを利用し、風呂建築に関わる模型を展示し、活動の様子を動画で紹介する。

建築作業をする法政大学デザイン工学部建築学科、赤松研究室の学生ら=つくば市筑波、10月6日撮影

風呂は4年前に設計され、施工から3年目で完成となった。作業に関わったのは延べ45人。建築学科の学生が1日に3、4人、都合が付く日に代わる代わる工事に当たったためかなりの日数がかかった。脱衣所と浴室の面積は計9.9平方メートルで3人程度が利用できる。11.3平方メートルの中庭も造成され、庭には竹灯ろうがともる。

建築に携わった同大大学院の法兼知杏(のりかね・ちあ)さん(23)は「力仕事が多くて大変だった。携わった4年間の成果を、歴史のある建物と合わせて是非見にきてほしい」と話す。

旧小林邸ひととき。 標高約250メートルの見晴らしの良い場所にある

旧小林邸は、筑波山ケーブルカーや筑波鉄道(現在は廃線)建設に関わった地域の資産家、小林氏の生家で、約130年前の明治時代に建てられた。しばらく空き家となっていたが、地方創生や観光コンテンツの開発などに関わるGoUp社長の野堀真哉さん(39)さんが2020年に購入し改装した。現在、宿泊施設やコワーキングスペースなどとして運営している。

◆「旧小林邸ひととき」はつくば市筑波937、電話029-866-0003。 

地域活動支援の場に「つくば椿庵」

旧小林邸から山道を下ると立派な塀が見える。同市筑波の古民家空間「つくば椿庵」は今回が秋祭り初参加だ。古民家の空間を味わって欲しいと、秋祭りに合わせ邸内をきれいに飾った。お休み処として26~27日と11月2~4日に邸内を公開し、コーヒーなどが味わえる。

椿庵の塀

「つくば椿庵」は155年前の1869(明治2)年に建てられた古民家で、元教員だった神奈川県の増渕広美さん(66)が3年前に取得した。現在、作品発表や教室、コミュニティの場として貸し出し、地域での活動を支援している。

かつては武家屋敷だった。持ち主だった最後の当主は55代目で、千年も続く家系だったという。増渕さんは古民家に住みたいと、いろいろ場所を探した末に購入した。完全移住ではなく神奈川県との2拠点生活となる。「古民家は大き過ぎて直すところが多く、まだまだ発展途上」だ。DIYが得意な夫が少しずつ修繕しているところだという。

つくば椿庵代表の増渕広美さん

購入した当初は、家族でゆっくり過ごしたいという考えだったが、由緒ある建物であることから、登山客が訪れたり、催しを開くようになった。今年9月には「重陽の節句」の展示会を開くなどした。

増渕さんの祖母が筑波山神社近くに住んでいたことから、幼少だった1960年代から70年代に筑波山で夏を過ごし、にぎわっていた頃を記憶している。「学園都市が出来てから若い方たちの多くが学園に移り、随分様子が変わった。地元の小学校も(廃校になり)今は校舎が残っているだけで子どもたちの声はない。しかし筑波山にはたくさんの魅力があるので、その魅力を多くの方に知ってもらい、かつてのような活気が戻ることを願いたい」と語る。「地元の人が住まなくなっても外から新しい人が入ってくる現象があり、筑波山も少しずつ新しいものが出来て変わってくるかも知れない」と語った。(榎田智司)

◆「つくば椿庵」はつくば市筑波878、電話090-8455-2935。受付時間は平日午前10時~午後5時。

◆筑波山麓秋祭り公式アカウントはこちら

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