金曜日, 10月 18, 2024
ホームスポーツつくば秀英 サヨナラで初の決勝進出【高校野球茨城'24】

つくば秀英 サヨナラで初の決勝進出【高校野球茨城’24】

第106回全国高校野球茨城大会は15日目の25日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝2試合が行われた。第1試合はつくば秀英が常磐大に6-5でサヨナラ勝ちを収め、夏大会では初の決勝進出を決めた。序盤のビハインドをコツコツと取り返し、ついに9回に試合をひっくり返した。

つくば秀英は1回表に4連打で2点を奪われ、その裏に4番・吉田泰規の右翼への適時打で1点を返すものの、3回表には3点本塁打を浴び、この時点で1-5と大きなビハインドを負った。

1回裏つくば秀英1死一・二塁、吉田泰の右翼への適時打で1点を返す

「点差があっても自分たちの野球をすることを心掛けた。苦しい時間帯もあったが守備からリズムが出てきたので、1イニング1点ずつ取るぞと選手たちに声を掛け、9イニングトータルで勝つことを意識した」と櫻井健監督。

3回裏には5番・大石隼也に2ランが飛び出し、ホームランにはホームランでお返し。「打ったのは真ん中低めのまっすぐ。つなぐバッティングで、鋭い打球で外野の間を抜く意識だったが、結果的に入ってよかった」と大石の振り返り。

3回裏つくば秀英2死三塁、左翼へ2ラン本塁打を放った大石が拳を上げる

4回表からは先発の羽富玲央から中郷泰臣へ投手交代。「羽富はここまでの疲れもあり、気持ちが高揚していたようだ。羽富から中郷への交代は春からのパターン。力のある投手で、本来の仕事をしてくれた」と櫻井監督。結果的に中郷は、7回までの4イニングを2被安打3奪三振1四死球で抑えた。

4回からマウンドに上がった中郷

4回裏には1番・吉田侑真の左前打と2番・小久保良真の中堅への二塁打で1点追加、4-5と1点差まで追い上げた。だがここからが一進一退。6回裏は2死二塁の場面から小久保が左前打を放ち、二走・吉田侑が本塁を狙うがタッチアウト。7回裏は3番・明石理紀斗の中前二塁打と大石の中前適時打でついに同点、続いて四球2つを選んで満塁とし、8番中郷には石井清太郎が代打。中飛からのタッチアップで大石がホームを踏むが、三塁手のアピールプレイでアウト。幻の逆転打となった。

4回裏つくば秀英2死一塁、小久保が中堅へ適時二塁打を放つ

8回表は中郷に代わり大石がマウンドへ。タッチアップのミスを引きずらないよう周りから「しっかり切り替えていけ」と声が掛かったそうだ。2イニングを投げて2被安打1奪三振で無失点。9回表には1死三塁の場面で、一ゴロから打者走者とベースカバーの二塁手・吉田侑が交錯、その間を突いて三走が本塁に向かうが、吉田侑が素早く立ち上がりバックホーム、本塁クロスプレーでアウトにした。

9回表常磐大1死三塁、一ゴロから本塁を狙った三走をタッチアウトにする。捕手・稲葉

そして9回裏最後の攻撃。6番・稲葉煌亮の左前打と敵失などで1死一・三塁、打順は9番・佐々木将人。監督からはスクイズの提案もあったが「自分で打って決めたい」と首を振った。直球に振り遅れないようバットをいつもより短く持ち、2ボール2ストライクからの5球目を中堅へ。外野フライには十分で、稲葉が生還しサヨナラ勝ち。「みんなのおかげ。全員がヒーロー」と勝利のコメント。

9回裏つくば秀英1死一・三塁、佐々木が中堅へサヨナラの犠飛を放つ

櫻井監督は決勝に向けて「やることは変わらない。最後は気持ちの部分。1戦1勝でねばり強く食らいついていきたい」と意気込みを語った。(池田充雄)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img
spot_img

最近のコメント

最新記事

筑波大「野球・ソフトボール室内練習場」整備へ 関彰商事が運営

最先端のスポーツ科学生かし運動分析とコーチングを提供 筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)は民間資金を活用し、大学構内に新たに「野球・ソフトボール室内練習場」を整備する。関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)が費用を負担して施設を整備し完成後は同大が所有する。来年9月のオープンから2041年3月まで15年間は関彰商事が施設を管理運営し、事業収入を得て、整備費用などを回収する。 投球や打撃の動作や弾道などを測定し分析する最新の機器を備える。野球の動作分析とコーチングを研究する同大の川村卓体育系教授の知見を生かして、様々な選手に最新のスポーツ科学を基にした運動分析やコーチングを提供するのが特徴となる。平日昼間は大学の授業や硬式野球部の活動で使用し、平日夜間と休日は、一般向けにスクールや運動分析プログラムの提供などをする。 大学構内の野球場北側に新設する。10月に着工、来年9月1日の開設を目指す。 室内練習場の敷地の広さは約3200平方メートル、施設は1階建て鉄骨造、延べ床面積約1700平方メートル。内部はトレーニングエリア、打撃エリアとブルペン、ウエイトトレーニングエリアなどがあり、打撃レーン3カ所、ブルペン2カ所、フリーのトレーニングエリアなどで構成される。エリア間は用途に合わせ、可動式の間仕切りで仕切って利用することもできる。 各エリアに最新の測定機器を備え、質の高いトレーニングができるほか、それぞれのエリアでパーソナル指導を行ったり、個人練習やスクールの運営などを実施する計画だ。 同大にはこれまで野球・ソフトボールの屋内練習場がなく雨の日は練習できなかったことなどから、大学資産の有効活用を目的に同大が昨年12月、公募を実施し事業者を選定した。一方、関彰商事は昨年、スポーツアナリティクス事業を立ち上げた。

1年後の私へ、生き延びていますか?《電動車いすから見た景色》59

【コラム・川端舞】2025年10月の私は、ちゃんと生きていますか? つくばを離れ、群馬に引っ越して、半年たった頃だと思います。少しは新しい生活に慣れてきましたか? 2024年10月、今の私は自分を押し殺して、何とか生き延びています。曲がりなりにもライターである私が、自分の思いを素直に書けないのは、想像したより辛いことでした。未来の自分になら少しは本音を書けると思い、手紙を書きます。私にとって、言葉を綴(つづ)ることは生き延びるための処世術だから。 言うまでもなく、障害者は社会から生きづらさを押しつけられる存在です。この社会は障害者の存在を前提にしておらず、障害者のことはあくまで例外としか考えていないから。そんな中、車椅子でそのまま室内まで入れるアパートを群馬で見つけられたのは奇跡だと思います。健常者なら、アパートの室内に入れるかどうか、心配することさえないのでしょうが。本当に羨(うらや)ましいです。 社会から常に爪弾(はじ)きにされてきた障害者なのだから、同じように社会から差別されてきた女性や性的少数者たちの立場も理解できるのでは。今から1年前の私はそう信じていました。しかし、それは幻想なのかもしれません。障害者団体の中にも女性や性的少数者に対する差別が歴然とあることを、この1年で私は痛感しました。 当然ながら、障害者団体の中にも女性や性的少数者はいるはずなのに、彼ら・彼女らの声は軽視されがちであることに、私は気づいてしまいました。「そんなことはない。それは、あなたが対話をしなかったからだ」と、私を責める人もいるでしょうが、この1年、私がどれほどもがき苦しんだか、未来の自分なら分かってくれますよね? もう少し上手な対話の方法があったのかもしれませんが、私にはあれが限界でした。私は負けたのです。 来月でこのコラムも最終回 私は来年、15年暮らしたつくばを離れ、故郷の群馬に引っ越そうと思っています。群馬には、以前から関わりのある性的少数者の支援団体もあるので、その団体とも繋(つな)がりながら、障害者と性的少数者の連帯を模索するつもりです。 このコラムも、次回で終わりにしようと思います。ちょうど60回、丸5年で幕を下ろすことになります。私の拙い文章を毎月読んでくださった方がいるのなら、ライター冥利(みょうり)に尽きますね。最終回のコラム、私は何を書くのでしょうか。それでは、お元気で。誰かの評価を得るために、無理に頑張らないでください。 あなたの悪い癖です。そんなことより、自分で自分を認められるような生き方をしてください。(障害当事者)

棄却も「市政の信頼大きく損ねた」 つくば市監査委員 生活保護行政の不適正事務

生活保護行政をめぐって、つくば市で不適正な事務処理が相次いでいる問題で、元市議の塚本武志さんが市監査委員(高橋博之委員ら)に出した住民監査請求(9月7日付)の結果がこのほど出された。生活保護費の過払いや過支給は「違法・不当な公金の支出に当たる」と認定しながら、「市の損害が確定していない」などとして請求を棄却とした。一方で「市民の市政に対する信頼を大きく損ねた」とし、「不適正な事務を一掃するという覚悟を持って今後の業務に取り組む」よう求める意見を付けた。 監査請求は7月に出された。生活保護費の過払いや過支給によって市に生じる計約3842万円の損害額について、市長や歴代管理職が同額を市に返還するよう求めていた。9月には、昨年まで生活保護業務を担当していた現役の市男性職員が請求者代理人として異例の陳述を行い「不適正事務の原因は、市が発表しているような管理職の認識不足などではなく、ずさんな債権管理と、誤った支給が発覚するのを恐れた管理職の故意、重過失が原因だ」などと告発していた。 監査結果は9月27日付で出された。各誤支給に対しては、市が現在、生活保護受給者に対し返還を進めており、市の損害額はまだ確定しておらず「対象職員に対する損害賠償請求権は成立していない」などとした。さらに、市の損害が生じた場合、市は対象職員の損害賠償も検討すると主張しているので、市の損害が確定した後、職員の損害賠償責任を判断すべきだとした。 その上で再発防止策の検討として、統一的な手順で正確な業務遂行ができるよう事務処理マニュアルを整備し、制度の理解を深めるため、職員を外部機関への研修に積極的に参加させるなどを求めた。 監査結果に対し請求人の塚本さんは「残念な結果。損害額が確定してないと言っているが、確定している額もある。でたらめな福祉行政だったことを示しており、きちんとやってほしい」と話し、今後、住民訴訟の訴えを起こすか否かについては「関係者と協議したい」とした。請求代理人として陳述した市職員は「(結果については)残念。時効確定分の4分の1は市の損害額として確定しているので、もう少し踏み込んで議論していただきたかった」とする一方、監査委員が付けた意見について「あまり例を見ないものでしょうし、職員の責任について言及した点については一定の評価をしている」とした。 一方、五十嵐立青市長は11日の市長定例会見で「真摯(しんし)に受け止めたいと思っている、調査を進めながら速やかに改善を進めたい」とする一方、今後の調査のスケジュールについては明らかにしなかった。(鈴木宏子)

インドレストラン・ニューミラ《ご飯は世界を救う》64

【コラム・川浪せつ子】インドレストラン・ニューミラー(つくば市天久保)は、東大通沿いにある筑波実験植物園のお隣。市内でインドの方が経営しているお店の中では老舗中の老舗。つくば市内、その周辺地域は、インド料理屋さんが多めです。 インドカレー初体験は、洞峰公園付近を散歩していて見つけたお店。カレーもおいしかったけれど、ナンの大きさとお代わりできちゃう、太っ腹精神。それから病み付きになり、本場のカレーを求めていろいろなお店を訪ねました。 インドネパール料理・マヤデビ インドネパール料理・マヤデビ(つくば市竹園)もかなりの老舗店。スーパー近くで便利です。マヤデビとは、お釈迦(しゃか)様のお母様、マヤ夫人にちなんだ名前だそうです。店内テレビではインドの映画や風景を映していて、これも楽しいです。 ひよこ豆などの食材も大好き 実は、私は辛いのが苦手。インドのカレーは激辛もあるけれど甘口もあって、本当にうれしい。辛くなくてもカレー? カレーは元々、スパイシーに重点があるのです。南インドの方と3年間ほどお付き合いしたとき、各種スパイスを見せてもらい、カレー以外のお料理もたくさん食べさせてもらいました。 また、インドカレー屋さんでのお気に入りは、ひよこ豆などインドの食材を販売していることです。ひよこ豆は、ヒヨコのように鳥のくちばしのような突起がでて可愛いです。一度にたくさんゆでて、小分けにして冷凍。良質な植物性たんぱく質が豊富に含まれているので、料理のトッピングに最高です。(イラストレーター)