【富永みくに】まるでカルガモの子どものようについて来て荷物などを運搬してくれる自動追従運搬ロボット「サウザー」が、つくば市吾妻、市立中央図書館に試験導入され、11日、報道陣にお披露目された。
ロボット開発会社「ドーグ」(同市吾妻、大島章社長)が開発し、市のトライアル発注認定制度=メモ=により、2017年3月に購入された。価格は約160万円(当時)。これまで本庁舎内で重い荷物を運ぶために用いていたが、活用範囲を広げるため3月23日から、同館でブックポスト(無人図書返却箱)の本を回収する際に使っている。
台車の前方にある自動追従のボタンを押すと、下部に取り付けられたセンサーが対象を認識、対象と同じルートをたどって追従する。80cm幅の狭い通路やS字型走行、直角に曲がることも可能で、レーザーセンサーで進路上の障害物を検知した場合は、自動で回避・停止し、警告音が鳴る。荷物は最大120kgまで載せることができ、本を100冊以上積んでもスロープを無理なく行き来できる。段差は3cmまで乗り越えられる。
ドーグでは、物流倉庫や工場、小売店などでの搬送用台車としての利用を想定。これまでに国内の物流倉庫・工場をはじめ、空港関連企業、シンガポールの図書館などでの導入事例があるという。
図書館の椙山久美子館長は「今は利用者の安全を配慮して、開館前の人の居ない時間帯に使っているが、機会があれば子どもたちの目の前で本を運ぶ様子を見せるなど積極的に活用していきたい」とコメントしている。5月31日まで同館での試用を続ける予定で、その後も別の部署に場所を移して、新たな用途を探る。
※メモ
【トライアル発注認定制度】つくば市が2015年度に創設した。市内のベンチャー・中小企業者が開発する優れた新商品などの普及を支援するため、市が定める基準を満たす商品・サービスを認定する。認定商品のPRを市のホームページなどで行うほか、購入した場合は、評価結果を公表する。16年度認定商品は「サウザー」以外に、サイバーダインの作業支援ロボットスーツ「HAL腰タイプ」、地球科学可視化技術研究所の「プロジェクションマッピング型精密地形模型」。