プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは12日、つくば市流星台のさくら運動公園野球場で、今季3戦目として読売ジャイアンツ3軍と対戦し0-4で敗れた。茨城は開幕3連敗。今季より選手兼任で指揮を執る巽慎悟監督は「アグレッシブなチャレンジを続け、勝利の喜びをファンと分かち合える野球をしたい」と巻き返しを誓う。
【ルートインBCリーグ2024準公式戦】4月12日、さくら運動公園野球場
茨城アストロプラネッツ-読売ジャイアンツ3軍
巨人 010010110 4
茨城 000000000 0
茨城の瀧上晶太主将は「投手が試合をつくってくれたのに、打撃陣が点を取れなかった。両者が補い合える展開にならなくては」と試合後に振り返った。開幕戦は打線が火を噴いたが投手が踏ん張れず、2戦目は投打とも良いところなし。そしてこの3戦目は完封負け。チャンスでの一打が出ないまま、小さなほころびから崩れていった。
茨城の先発投手は長尾光。今季埼玉から移籍してきたプロ4年目で、この日は最速149キロの直球を軸に組み立て、1・3・4回を3者凡退に抑えた。出色は4回の4番打者の攻略で、左打者を外角の出し入れで追い込み、最後は外へ逃げるボールで遊ゴロに引っかけさせた。
残念だったのは2回の投球。2者連続の四球と送りバントで1死二・三塁、次打者には右翼への犠牲フライで、ノーヒットのまま1点を奪われた。5回には2連打で1点を失い、この回で予定通りマウンドを降りた。
次の失点は7回、投手は4人目の佐藤友紀。四球と投ゴロで1死二塁の場面、捕逸により走者が三進、これを防ごうとしたが悪送球で生還を許した。佐藤はツーシームやカットボールなど速球系の変化球が多彩だが、その小さく鋭く曲がる球が裏目に出て四球や捕逸を招いた。8回はアンダースローの伊藤龍介が登板、2死一塁から右翼へのヒットを土田佳武が処理を誤り1点を許した。
この試合の茨城のヒットは5本。いずれも得点機となるが、あと一打が出ない。9回には2番・大友宗の左翼への二塁打と、3番・瀧上の中前打で無死二・三塁の絶好機を迎えるが、後続が抑えられ無得点に終わった。
「中継ぎ陣は先頭打者への四球が目立ち、ブルペンでの準備の仕方に課題が残った。打撃陣は甘い球をしっかりと仕留め、得点につなげたい」と巽監督の振り返り。今年度の取り組みとして「一つ目を決めきる」ことを大事にしているという。「打撃なら初球からストライクを見逃さずアグレッシブに振っていく。ほかにも守備や走塁の1歩目など、野球にはたくさんの『一つ目』がある。そこを意識することで集中力を研ぎ澄ませたい」との考えだ。
昨季までの投手兼任コーチから、今季は投手兼任監督として采配を振るう。「プレーイングマネジャーという貴重な機会をもらえ、球団には感謝している。選手に呼び掛けている以上に、自分自身もチャレンジの意識で臨みたい」との姿勢だ。試合前の準備の仕方や心構え、あるいはマウンド上の駆け引きや配球など、選手たちには自らの背中を通じて伝えたいことも山ほどあるという。(池田充雄)