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東北花火紀行2023春/大曲~陸前高田 《見上げてごらん!》14

【コラム・小泉裕司】

大曲の花火~春の章~4.29

大会プログラムの一つ、45歳以下20人の花火師による「新作花火コレクション」に出品した山﨑煙火製造所(つくば市)の佐々木恵(けい)さんは、10号玉芯入割物の部で見事初優勝(大会結果)。作品名は「昇曲導付三重芯菊先銀点滅」(筆者撮影)。

筒から打ち出された花火は、「曲」と呼ばれる小さな花を開きながら上昇し、最高点で星が尾を引きながら4つの同心円(外側の円は芯に数えない)を描く菊型花火。消え際に銀色の煌(きら)めきを発する。

山﨑煙火は、昨年の土浦10号玉の部「五重芯銀点滅」で優勝、本年、創業120周年の節目を迎える老舗中の老舗。今や名実ともに不動の地位を確立した現会長の山﨑芳男氏の十八番(おはこ)は、脈々と弟子達に受け継がれ、「多重芯の山﨑」「銀点滅の山﨑」と言われるほど。

その完成度の高さ・安定度では、国内、野村花火工業(水戸市)と双璧をなす。本日、11月4日に土浦全国花火競技大会開催決定との報。茨城勢は今シーズンも盤石の予感。

陸前高田~三陸花火大会~4.30

「春の三陸 奇跡と軌跡」。大会翌日の某全国紙は、「奇跡の一本松」のモニュメントと彩り豊かな花火を重ねた写真を掲載し、再生が進んだ花火会場周辺をこう表した。

2014年、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市を訪れた。近くの山を切り崩した岩や土を被災地域に運ぶベルトコンベアが、はるか高いところを石油パイプラインのように縦横に走る光景に圧倒された。

あれから9年、広大でフラットな海岸沿いは、大きな復興工事が終了し、津波被害を伝える「津波伝承館」や新商店街が整備されるなど、変容した高台からの眺めは、感慨深く、想念を巡らした。

2012年3月、土浦市立真鍋小学校、土浦第二中学校の児童・生徒はじめ40人近くが陸前高田市を訪れ、桜の植樹に参加し、地元住民と交流。真鍋の桜保存会は、県の天然記念物「真鍋の桜」のクローン苗1株を寄贈した。当時の桜は、2年後の2014年に根付いたのを、そして今回、緑の葉が幾重にも生い茂り、順調に育っているのを確認し、ほっとした次第。

大手食品スーパーのカスミ(つくば市)は、小浜裕正前会長のご縁をきっかけに、2011年から復興支援カレンダー「明日暦(あしたごよみ)」による募金活動をスタート。翌年からは、地域を越えた交流活動「陸前高田七夕まつり体験学習」など、陸前高田の復興支援に取り組んできた。

筆者は、暦を初編から複数部入手。職場の壁面に掲示し、月ごと、地元の皆さんの笑顔とメッセージコピーから届く逆エールに励まされたことを思い出す。

「三陸花火」は、こうした被災地支援活動の一つとして、2020年10月から始まった。土浦と大曲両大会で内閣総理大臣賞を受賞した㈱マルゴー(山梨県)が打ち上げを担当。年2回春・秋に開催。今回もコズミック(宇宙)系といわれる得意の時差式花火(筆者撮影)満載のプログラム。

次回は、今年の10月8日、「大曲の花火~秋の章~」の翌日に開催予定。東北花火紀行は、秋の編に続く。

「雨雲が近づいているようです」。大曲の会場入口で遭遇した花火鑑賞士仲間の情報は、冷雨で体の芯まで凍えながら見た1年前を想起。昨年、実行委員会本部長が参拝し、無事終了した土浦の実績(昨年11月20日掲載コラム)を踏まえ、天気の神様「気象神社」(東京高円寺)のお守りを持参したのだが、不用意にもホテルに忘れたことを後悔した。

結果は、風向きによる多少の煙待ちはあったにせよ、打ち止めのアナウンスまで、8000発の打ち上げをコンプリート。「天気よければ、すべて良し」。本日は、この辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

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ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

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消費期限切れ食品を冷凍自販機で販売 つくばまちなかデザイン

保健所が販売停止を指導 つくば市のまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(つくば市吾妻、内山博文社長)が設置、管理する冷凍食品自動販売機で、1月9日から14日までの間、消費期限切れの食品が販売されていたことが分かった。つくば保健所の指導を受けた同社は、該当食品の販売を17日から停止し、現在までに同自販機による全食品の販売を停止している。 同社は購入者に対し返金対応を行うとしているが、同社による事態の告知は自販機への貼り紙と、冷凍食品製造事業者を含む飲食店経営者による有志グループ「旨がっぺTSUKUBA(つくば)」のインスタグラムとフェイスブックなどに限られ、つくば市が出資する第3セクターとしての説明責任が問われる。 販売が停止された自販機は、つくば駅前のつくばセンター広場ペデストリアンデッキ上に設置されている。同社がSNSと自販機に掲示した「お知らせ」によると、販売された消費期限切れの食品は「8大アレルゲンフリー 米粉の焼き菓子おまかせ3点セット」。1月9日、12日、14日の3日間に計4点が購入されていたことが確認されている。消費期限は、購入された時で最大で1週間が過ぎていた。その他に、消費期限が最短で1日以内だった1月1日と6日に購入された2点についても返金するとしている。 コロナ禍発 同自販機が設置されたのは2023年。つくばまちなかデザインが、市内などの飲食店経営者などによる有志グループ「旨がっぺTSUKUBA」とともに立ち上げた実行委員会のプロジェクトとして設置した。同グループは、コロナ禍による外出自粛が呼び掛けられた2020年に、県内飲食店のテイクアウト情報をフェイスブックで発信していた活動を母体としている。冷凍自販機設置に際して同実行委は、PR費用などに充てるとしてクラウドファンディングを実施し、46人の支援者から56万9590円を集めた。 告知は貼り紙と飲食店グループのSNSのみ 消費期限切れ食品の販売が発覚したのは1月17日。まちなかデザインは同日、「旨がっぺTSUKUBA」のインスタグラムとフェイスブックに掲載した同社名義の「消費期限切れ商品の販売に関するお詫びとお知らせ」で、問題が起きた経緯について「弊社による商品管理不足とコミュニケーションの不調」によるなどと説明し、返金対応を行うとした。同時に、自販機に貼り紙を貼り、購入者に連絡を呼び掛けている。一方で、食品の自販機の設置者であり、商品の管理責任を負うまちなかデザイン自身の公式ホームページや、会社のSNSアカウントでは、2月2日時点で、消費者に対する説明や購入者への呼び掛けは行われていない。 社長「大きな問題は起きてない」 取材に対して同社の内山社長は、今回の経緯について、「旨がっぺTSUKUBA」のSNSに公表した文書を念頭に、「あそこに書いてあることが全て」とし、「体調が悪くなったなど、特段、消費者から問い合わせもなく、大きな問題が起きているということはない。問題等があれば、しっかり発表する」と述べ、問題発生に関する詳細な経緯の説明を避けた。 また、市民からの疑問と不安の声を受けて取材を始めたことを伝えると、「『市民の方から』と言えば、なんでも話さなければいけないのか。その方から直接問い合わせをいただければ、私どもも真摯(しんし)に対応する」と述べた。今後については「保健所の指導を受けながら、誰の責任で、どう行うべきか考えていきたい。再開については、はっきりした段階でお伝えしたい」とした。 複数業務兼ね管理行き届かず つくば保健所によると、保健所が事態を把握したのは、問題が発覚してから2日後の19日。問題となった冷凍自販機に食品を納入している業者からの通報がきっかけだった。この時点で該当食品の販売は停止されていたが、まちなかデザインから保健所への連絡はなかった。そのため保健所は同日、同社に電話連絡し、同社が保健所を訪問。保健所は食品衛生法に基づき、施設の衛生管理状況や取扱者の衛生教育などを評価する「食品衛生監視指導表」を交付し、事態改善に向けた指導を同社に対して行っている。 同保健所は「自販機の設置者であるつくばまちなかデザインが、納入された商品の管理と自販機への補充を行ってきた」と、設置だけでなく、商品管理もまちなかデザインが担っていたとした上で、問題が起きた経緯については「自販機販売の担当者が、他の複数業務を兼ねていた。人手不足の中で、商品管理が行き届かず、期限切れの商品が販売された」と原因や背景を分析する。 今後、まちなかデザインから提出される改善案を見た上で、改善措置が図られたと判断した段階で、販売再開が可能になるとしている。 今回の「消費期限切れ」について保健所は「食品表示法により、健康被害の恐れから消費期限が切れた商品を販売することはできない。期限が切れた食品は、もう食べられない状態」にあるとし、厳格な管理が必要との認識を示した。一方で、今回販売されたのが冷凍食品であることから重大な健康被害に直結しにくいとの見方を示し、より期限に猶予期間のある「賞味期限」表示が適切だった可能性にも言及した。 市がどう考えているか知りたい  今回販売された焼き菓子をこれまでたびたび購入してきたという、ブックカフェ「本と喫茶サッフォー」(同市天久保)を経営する山田亜紀子さんは「丁寧に作られていて、安心して食べられるお菓子。美味しくて、好きで食べていた」と話し、自身も食品販売に携わる立場から「食品管理は食中毒を出せば営業できなくなり、経営に直結する問題。一番気を使う部分だ」と指摘する。 さらに「自販機は市民以外も含め誰でも購入できる場所にある。本来、安全を最優先しなければならないはずなのに、食べ物をずさんに扱っている印象を受ける」と不安を口にした。さらに「こうした会社に市が税金を出資している。市としてどう考えているのか知りたい」と話した。 市と会社に説明責任ある これまで市議会でたびたび同社の経営状況や将来負担などについて質問してきた山中真弓市議は「市は、まちなかデザインに6000万円を出資し、指定管理者に指定して、自販機が設置されている場所を含むつくばセンター広場の管理を任せている。市民の税金が投入されている以上、同社は市民に対して問題を説明する責任がある」と指摘する。 その上で、「自販機が設置されている場所は市の土地であり、市職員が同社の取締役に入っている。市が無関係とは言えない」とし、「市にも、市民に対して説明する責任がある。また、まちなかデザインが食品を扱うノウハウがあるのか、確認する必要がある」と述べた。 市は保健所に委ねる姿勢 一方、つくばまちなかデザインを担当する同市学園地区市街地振興課は今回の件について「(まちなかデザインは)保健所の指導に従ってもらいたい」との認識を示すにとどまっている。(柴田大輔)