【コラム・坂本栄】県営洞峰公園(つくば市二の宮)の無償市営化について、市議や市民の賛否が割れているようです。知り合いの市議から市議の皆さんの考え方を聞き、本サイトの記事に寄せられた読者のコメントを読むと、そんな感じがします。151「…洞峰公園問題バトル…」(2月20日掲載)では「今度は『市街戦』が勃発か?」と書きましたが、予想通りの展開になっているようです。
公園の維持管理費と運営構想で対立
151では、無償譲り受けに対する市民の反応を3グループに分けました。市営化によって公園維持管理予算が増えることに反対する派。県のアウトドア施設計画を受け入れて管理は県に任せておいた方がよいとする派。公園の現状が維持されるのだから市の負担増は仕方ないとする派。つまり、公園管理経費の出所、公園運営のコンセプトをめぐる「市街戦」です。
市が県の計画を蹴っていれば県営が維持されましたが、県は「無償で譲るから市の考え方で管理したらどうか」と提案。市が「市営にすればアウトドア施設を止められる」と受け入れたことで、問題が複雑になりました。
無償譲り受けには、市営公園リストに洞峰を加える条例の可決、市営化に伴う必要予算の可決が必要になります。市議さんは両議案に賛成するか反対するか悩んでいるようです。市議さんの場合、先のような議論のほかに、市長提案には基本賛成する(基本反対する)といった会派的な思惑、自分の地盤・支援者は賛成する?(反対する?)といった選挙上の対応もありますから、賛否判断はより複雑になります。
そこで提案です。市民の考えの大勢を知り、市議さんの判断を助けるためにも、住民投票を実施したらどうでしょうか? 以前、総合運動公園の是非判断で使った意見聴取手法です。もちろん、無作為抽出アンケート調査という簡易版もあります。無償譲り受けが正しい選択であることを確認するためにも、市はいずれかの調査が必要でしょう。
県営赤塚公園の方も市営化したら?
先週、国道354号沿いの県営赤塚公園(つくば市稲荷前)に行ってきました。洞峰は市営化されるのに赤塚は県営のままでいいのかと思い、園内を見ておきたかったからです。面積は、洞峰が20ヘクタール、赤塚が8ヘクタール。開園は、洞峰が1980年、赤塚が1981年。両公園の距離は1400メートル。県がセットで造った兄弟公園です。
洞峰は市営化されるのに、赤塚が県営のままだと、維持管理に差ができないでしょうか? 洞峰が県の手を離れることで、赤塚の管理が粗末にならないでしょうか? 洞峰周辺市民と赤塚周辺市民の住環境に、優劣が生じないでしょうか? 赤塚も譲り受け、市が一括管理した方が、市民の間の公平性は保たれるのではないでしょうか?
私は毎朝、霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田、32ヘクタール、1990年開園)を散歩しています。ここは県営区画と市営区画が混在しており、県と市の共管になっています。文化体育館は県、多目的広場も県、水郷プールは市、風車がある湖畔も市―といった具合に。公園造りを決めた知事と市長は息が合っていたようです。(経済ジャーナリスト)
<参考>市長は無償譲渡に伴う議会手続きについて議会をミスリードしています。小森谷議員の「議会に議案として出るのか」との質問に「無償譲渡を受けるのに議会の議決は必要ない」と答弁しているからです。質疑応答の詳細は「…無償譲渡受ける方針を議会に説明…」(2月14日掲載)をご覧ください。