筑波山つつじヶ丘(つくば市筑波)の筑波山ロープウエー山麓駅付近で9日、ロープウエーが故障により急停止したとの想定の下、救出訓練が行われた。
同市消防本部北消防署筑波分署のほか、ロープウエー運行の筑波山観光鉄道、つくば警察署、茨城県防災航空隊の関係機関合同による。従来2年ごとに行われていたが、コロナ禍の影響で3年ぶりの訓練となった。
訓練は、ロープウエーの急停止により、ゴンドラ内に数人が残され、その内の1人が病院への搬送が必要な状況を想定、ゴンドラから救出後、警察と協力してピックアップポイントで搬送し、防災航空隊に引き継ぐまでの手順だった。しかしこの日、福島県白河山系で森林火災があり、県防災航空隊のヘリコプターの参加が出来ず、ゴンドラから救出、搬送するまでの訓練となった。
ロープウエーは全長1296メートル。山麓駅から女体山駅へ約200メートル向かった地点が訓練場所となり、山麓駅で542メートルの標高がある。ゴンドラの底から、救助袋を降ろし、地上と行き来し、遭難者に扮した隊員がタンカで搬送されるまでを実践した。総勢20人ほどの消防隊員らが、真剣な表情で取り組んだ。
消防署筑波分署の山岳救助隊員、杉山弘之さん(47)によれば、「筑波山は低山ながら、遭難者もおり、昨年だけで35件(うち宝篋山で5件)あり、今年になっても4件あった。近年、ロープウエーでの事故は起っていないが、訓練を通し、登山客や観光客の安全のため、任務をはたしていきたい」と語った。(榎田智司)